483 名前:暇つぶしのエロ小説 著作 沢村智紀 投稿日:2009/07/12(日) 14:59:08 ORYofu0s

 暇つぶしのエロ小説 著作 沢村智紀


 人影の見えない校舎裏で純ははじめを押し倒した。
「はじめ、わかってくれ。オレは――」
「ダ、ダメだよ。ボクには透華が……」
「それなら力尽くでも奪ってみせる」
 女性では大柄な純の腕力に、小柄なはじめが対抗する術はない。
 はじめの両腕を左手一本で拘束したまま、純の右手がはじめのスカートに進入して内股をまさぐる。
「そんなとこっ、や、やだっ」
「君が強情だからいけねーんだ。オレの物になれ!」
 純の長い指が敏感な割れ目をなぞる。
 はじめは快感からくる寒気に恐怖しながら叫んだ。
「透華っ、助けて透華! 透華あああああああ」
「口も閉じなきゃな」
「――あんむむむぅっ?!」
 唇を唇で塞がれ、はじめは声にならない叫びを上げる。
 舌と舌が絡み合い、純は異様な興奮を覚えた。




「な、なんですのこれはあああああああッ?!」
 龍門渕高校麻雀部の部室に悲鳴が上がった。声の主は透華だ。彼女の手元にはパソコンが置いてある。智紀がいつも肌身離さず持ち歩いている物だ。
 今、部室にパソコンの持ち主はいない。トイレで席を立っているのだ。部室には、来たばかりの透華しかいない。
 油断した智紀は画面を閉じずに席を立ち、それを透華が覗いてしまったのだ。
「あ、見てしまいましたか」
 戻ってきた智紀が、何事もなかったかのように平然とソファーに腰を下ろした。
 とんでもないものを見たショックでワナワナと震えていた透華は、やっとの思いで正気に戻った。
「智紀! こ、これは一体っ……!!」
「えーと、これはアレです。妄想小説ですよ」
「妄想小説!? ノンフィクションではないってこと!?」
「それは当然です……」
「そ、そう。安心しましたわ」
「驚く場所はそこですか」
 透華の人並み外れた感受性に、智紀は呆れながらも感心するしかなかった。
 透華は取り乱したことを恥じ、小さく咳払いをして居住まいを正した。
「それで、どうしてこんなものを?」
「ただの暇つぶしです。私も年頃ですし、あの人とあの人がくっついたら――とか考えるんですよ」
「そう。……でも、はじめが純にほだされることなんてありえませんわよ」
「妄想ですから」
「でしたわね。じゃあ、妄想なら私も誰に何をしても構わないと……」
 透華はチラチラとパソコンを見る。智紀にはどうしてほしいのか丸分かりだった。
「何か書きましょうか?」
「い、いいんですの!?」
 智紀はノートパソコンのキーに手を置いた。
「誰と誰にします?」
「私と……は、原村和」
「で、二人はどんな関係に?」
「当然、私が原村を一方的に痛めつける関係ですわ」
「わかりました」
 智紀は返事をして一分ほど熟考すると、ものすごい速さでキーを叩き始めた。




 真夜中の道路を、和は一心不乱に走って逃げていた。
 後ろから迫る黒い高級車は、まるで狩を楽しむかのように蛇行して和を追う。
 車の足から逃げ切れるはずもなく、和は間もなく派手に転倒した。
「……に、逃げないと」
 学生服を土埃まみれにしながら、必死に立とうとする和。だが、もう力尽きて足に力が入らなかった。
 車が止まり、一人の少女が降り立った。神をも恐れぬ悪魔の子。龍門渕透華だ。
 透華は立てない和に歩み寄ると、ヘビのようにざらついた視線で見下ろした。
「もう逃げないんですの? つまらない……」
「つまらないなら、もうやめてくれませんか」
「やめる? 何を馬鹿なことを。つまらないなら楽しくするだけですわ」
 透華はそう言うと、和のブラウスに手を伸ばす。
「な、何を……」
「こうしますの!」
 ブチブチと音がして、ブラウスのボタンが弾け飛んだ。
 胸元が開き、豊満な胸を支えるブラがあらわになる。
「相変わらず、ふざけた胸の大きさですわね」
 和は手で隠そうとするが、大きすぎて隠しきれない。
 余計に腹を立てた透華は、今度はスカートに手を伸ばした。
 スカートの端を掴んだ手を思い切り引っ張ると、見事に破れて奪い取れた。
 和は右腕を股に挟んで下を隠した。
「上のガードが甘いですわよ!」
 透華はそう言うと、和の胸にめがけて両手で襲い掛かった。
「うふふ、やわらかい胸」
 マウントポジションを取った透華は、和の大きな胸を思う存分もみしだく。
「食べちゃおうかしら」
 ブラの上からしゃぶりつき、胸の味を楽しむ透華。
「あ……噛まないでっ」
 歯型が残りそうな力で、やわらかい肉を口いっぱいに頬張る。
 何をされても和に抵抗する力は残されてなかった。




「そ、それで次はどうしますの!」
 パソコンの画面を見て興奮気味に先を促す透華。もう完全に妄想の世界に入り込んでいた。
「好きにしていいですよ」
「で、では、下着を全部ひん剥いて泣かせちゃいましょう。それで最後は私をご主人様と呼ばせるのはどう?」
「透華はボクのご主人様だよ……」
 横から割って入った声に、透華は口から心臓を吐きそうになった。
 いつの間にか、はじめが部室に来て透華の後ろにいたのだ。純も一緒に来たようで、何食わぬ顔でパソコンの画面を見ていた。
「は、はじめっ、いつからそこに……?!」
「ブラウスのボタンが飛んだあたりからだよ」
「しっかり読んでましたの?」
「うん……」
 二人の間に最悪に気まずい空気が漂う。透華にもこのピンチを乗り切る方法は思いつかなかった。
 透華がおろおろとリカバリー方法を考えている間にも、はじめは不安で涙目になる。
 そして、はじめは吹っ切れた。
「透華がしたいなら、ボクを好きにしていいんだよ」
 純の大笑いだけが部室に響き渡る。他は突然すぎてノーリアクションだった。
 呆けていた透華だが、すぐに真面目な顔で返した。
「で、できるはずありませんわっ」
「原村にはできて、ボクにはできないっていうの?」
「違います。はじめにそんな……はじめは私の……」
 言いよどむ透華を、じっと見つめるはじめ。
 言うしかないと悟った透華は、恥ずかしさを振り払うように声を張り上げた。
「――はじめは私の大切な人なのです! そんなことできるはずありませんわっ」
 言い切った透華は、赤い顔でプイっと横を向いた。照れ隠しだ。
 はじめは嬉しくて、涙を流さずにはいられなかった。
 感動した純は、手を叩いて透華の勇気を称えていた。
 そして、智紀は和の下着をひん剥いて「ご主人様」と言わせていた。


 終






 

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最終更新:2009年07月14日 19:58