384 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/07/08(水) 23:56:14 MOLEa9ID

「原村さんは透明人間になったら何したい?私はみんなを驚かせたいかな」
「わ、私は好きな人の家にいって普段何してるか見て、みたい、です」

唐突な宮永さんの質問に思わず本音で答えてしまいました。
宮永さんにへんに思われなかったでしょうか?

「原村さん、好きな人いるんだ」
「え?それは、その、う・・・・・・はい」

思ってもいなかった切り返しにまたしても本音で答えてしまいました。
自分でも頬が赤くなっているのがわかります。

「だれだれ?私の知ってる人?」
「それは、その・・・・・・」

今度の質問には答えることができません。
だってそうでしょう?
今、目の前にいる宮永さんが好きだなんてどうしたら言えるんでしょうか?

「うらやましいな」
「え?」

俯くことしかできなかった私の耳に届いた言葉に思わず顔を上げると
少しさみしそうな宮永さんがいました。

「原村さんに想われてる人がうらやましいよ」

それはどういう意味なんでしょうか?
もしかしたら私は宮永さんに、目の前のあなたに、好きだと言っていいんでしょうか?

「宮永さん、私は」
「ごめん、へんなこと言ったね。忘れて?」

そう言って立ち去ろうとする宮永さんを引きとめます。
何故でしょうか。今、宮永さんを行かせてはいけないと感じます。
自分でもびっくりするぐらい大きな声がでました。

「待ってください、宮永さん」

私の声に驚いたのでしょう。
少しびっくりした様子の宮永さんが私を見つめます。
その目を見つめ返し、ありったけの想いを込めた言葉を伝えます。

「宮永さんが、好きです」

私の言葉に宮永さんの顔が綻びました。

「私も原村さんが大好きだよ」

そう言って宮永さんは笑いました。
私が大好きな、花が咲くような笑顔で。

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最終更新:2009年07月11日 15:35