381 :名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 22:35:05 ID:afjxoaZ/
>>380
どう見ても事後です本当にありg(ry

>>307の続き。
展開は2.焦って問い詰める になった。




「は、はじめっ!?あなた何をしていますの!?」

お互い一瞬固まってしまったが、透華の声で我に帰った一は光速で布団へと潜り込んでしまった。
逃げられると追いたくなるのが人の性で、透華もベッドへ歩みより揺さぶりながら布団を剥がそうとする。

「はじめ!出てきなさい!」
「無理!絶対無理!」

剥がされてなるものかと抵抗する一としばらく攻防を繰り広げ、お互い息も絶え絶えになった辺りで透華の手が止まった。

布団の上から一の頭らしき辺りを緩く撫でる。


「はじめ…」

声は優しさを含んでいるものの、ひどく落ち込んでいた。
自分がこんなことしたからだ、と一は慌てて布団から亀のように顔だけ出し謝罪の意を述べる。

「ごめん透華!もう二度としないから、だから…」
「わたくしの力では満足させられていないんですの…?」

ひどく、明後日な方向に落ち込んでいた。

「……へ?」
「だってそうでしょう!わたくしがはじめを満足させられているのなら、はじめは一人でする必要なんてありませんわ!」
「そ、そんなことないよ。
透華はその…すごく、上手だよ…」

事実、一は透華に十分満足している。
多少拙い点がないこともないが、それがより透華らしいし何より愛は感じていた。
そう伝えようとするが、恥ずかしくなって口ごもってしまう。
それを透華は言い澱んでいると判断し、やはり一は不満なのだ、と新たな誤解を生んだ。

「嘘おっしゃい!ならどうしてわたくしに一言言わなかったんですの!?」
「だって透華はともきーと忙しそうだったし……我慢出来ないはしたない子だと思われたくなかったんだもん…」

確かに、最近の透華は忙しさにかまけてあまり一との時間を取れなかった。
ここしばらくは一より、データ分析のために智紀といた時間の方が多かったくらいだ。




「はじめ…」
「でもこれじゃ意味ないよね…。ごめん、透華。不快な思いさせちゃったね」

そう言ってすごすごともう一度布団に戻ろうとする一。透華はその顎を持ち上げ、静かに唇を交わした。
触れるだけの幼いキス。
けれど離れた透華の顔は真っ赤だった。

「とーか?」
「は、はじめはわたくしの専属メイドですわ」
「うん、そうだね」
「心身共にわたくしのものですの」
「…? うん、そのつもりだけど」
「メイドがわたくしのものを勝手に扱うだなんてこと、許しませんわ」

意図が飲み込めずきょとんとする一を尻目に、
「今後一人でするのは禁止しますの」
と付け加えた。

「えぇと…」
「したくなったら、ちゃんとわたくしにお言いなさい。
はしたないなんて思いませんの。
……わたくしたちは付き合っているんですから」

真っ赤な顔で拗ねたように視線を逸らす透華に、一もぽっと頬を染める。
やっぱりボクの彼女は世界一可愛いね!と叫んで回りたい衝動に駆られた。

「…透華、怒らないの?」
「怒ってほしいんですの?
はじめにそういう趣味があるのなら」
「ないない!ないよ!」

本気で言う透華に一は慌てて否定した。そんな誤情報を信じられたら、回り回ってどうなるかわからない。
苦労人一は良くも悪くも透華の実直さを一番理解していた。

「じゃあ、透華…」
「なんですの?」
「ボク、透華としたいな。ダメ?」
「……良いに決まっていますわ」

透華が優しく微笑むと、一が布団から這い出て身を起こした。
二人分の体重にベッドが小さく鳴く。
再び重なる唇。
月だけが二人を見ていた――――


「というのを書いてみた」
「暇人…」
「うっせえ」
「何だ、これは?」
「おっと、お子様にはまだ早いかな」
「子供扱いするなぁ!……ん?とーかとはじめか?」
「そーだよ。オレが作った」
「嘘なのか?」
「当たり前だろ。付き合ってるのは本当だけど」
「そうか…こないだこれと似たようなことをやっていたが、あれは衣の気のせいか」
「なにぃ!?」
「衣、詳しく」
「だからな~…」

そんないつもの龍門渕家。

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最終更新:2009年08月31日 17:33