これは、 Linux 上で動作するTV 視聴用ソフトウェアです。 xawtv という名前は、 X Application for Watching TV から来ています。 TV 視聴向けに特化した扱い易いソフトウェアとして、後発の tvtime と並んで代表的な存在です。
代表的なディストリビューションの多くでは、それぞれ専用のパッケージが用意されています。APT や YUM、up2date コマンドでインストールしましょう。
インストール後、xawtv を起動するには、デスクトップのアプリケーションメニューに登録されたアイコンを選択するか、コマンドラインより次のコマンドを実行します。
$ xawtv
xawtv 公式ウェブサイトのダウンロードページから入手し、インストールすることが可能です。
インストール後にターミナルより man xawtv を実行することで、参照できます。/usr/share/doc/xawtv-* にもドキュメントがあります。このディレクトリーには、国内テレビ放送局の周波数テーブルが用意されています。 グラフィカルなインターフェースがら操作できるので、比較的扱いは簡単です。
国内の地上波アナログ放送を視聴するには、xawtv の画面上でマウスを右クリックし設定画面を表示させ、初期設定の項目を以下のとおり変更します。
TV norm: NTSC Video source: Television Frequency table: Japan-bcast
受信チャンネルの選択は上下の矢印キー ↑ ↓ で、チャンネルの微調整は左右の矢印キー ← → で行ないます。
お住いの地域のテレビ放送は、次のウェブサイトで確認できます。
xawtv は、通常下の例のとおり ~/.xawtv という設定ファイルを初回起動時に自動的に生成します。(*1)この設定ファイルを書き換えると、次回起動時にその設定が反映されます。
[global] ratio = 4:3 freqtab = japan-bcast pixsize = 128 x 96 pixcols = 1 jpeg-quality = 75 keypad-ntsc = no keypad-partial = yes osd = yes osd-position = 30 , 20 use-wm-fullscreen = yes # [Station name] # capture = overlay | grabdisplay | on | off # input = Television | Composite1 | S-Video | ... # norm = PAL | NTSC | SECAM | ... # channel = # # fine = # (-128..+127) # key = keysym | modifier+keysym # color = # # bright = # # hue = # # contrast = # [defaults] group = main norm = NTSC input = Television capture = over bright = 49% hue = 49% contrast = 49%
Mandriva 2006 で SAA7130-STVLP カードを使うと、単に $ xawtv コマンドではテレビを視聴できないことがあるかもしれません。その場合には、次のコマンドを試してください。
$ /usr/bin/XawTV -c /dev/v4l/video0
このコマンドを起動する都度入力するのは大変ですから、デスクトップのメニューに登録するかショートカット・アイコンを作成しておけば便利です。
はい。xawtv に含まれる録画ツール streamer (*2)を利用すれば、現在放送中の番組を録画することが可能です。コマンドラインより、比較的単純なコマンドで扱えます。
streamer を使って録画する時は、この録画ソフトが単独で作動するので、 xawtv を起動させる必要はありません。以下はコマンドの一例です。
テレビチャンネルの設定/変更
$ v4lctl setchannel 6
テレビ録画の開始
$ streamer -t 0:30 -s 640x480 -r 29.97 -f mjpeg -F stereo -o hoge.avi (オプションで、時間・画面サイズ・フォーマット・ファイル名等を指定します)
上記の項目に従って記録した Motion JPEG 形式のマルチメディアファイルは、Xine で見ることができます。
ユーザーのディレクトリに .xawtv という設定ファイルが存在していない時は、 -n ntsc -i television オプションが要ります。従って、次のコマンド(例)になります。
$ streamer -t 0:30 -s 640x480 -r 29.97 -f mjpeg -n ntsc -i television -F stereo -o hoge.avi
放送を録画する際の品質を落せば、CPUへの負担が少くなるので、スペックの低いパソコンでも再生が可能となります。ただし、コマ落ちが目立つようになる恐れはあります。
(変更例) $ streamer -t 0:30 -s 320x240 -r 15 -f mjpeg -F stereo -o hoge.avi
Motion JPEG 形式のファイルは比較的サイズが大きく、Xine といったメディアプレーヤーにはどうも負担が掛かりやすいようです。次項で説明しているように MPEG1 形式で録画する方法もあります。
xawtv がインストール済みの環境に FFmpeg を追加インストールすれば、コマンドラインより MPEG1 形式でテレビ放送を録画できるようになります。代表的なディストリビューション向けには、 ffmpeg のバイナリーRPMが用意されています。
テレビ録画は、次のコマンド(例)で開始します。
$ ffmpeg -t 00:00:30 -s 640x480 -r 29.97 -b 2500 -ab 224 -ac 2 -f mpeg hoge.mpg
Motion JPEG 形式で録画する場合と比較して、通常ファイルサイズは半分以下に圧縮できます。MPEG1 形式で記録したファイルは、 Mplayer や Xine で再生が可能で、家庭用のDVDプレーヤー/レコーダでも楽しむことが可能となるので、都合が良いと思われます。
$ ffmpeg -t 00:00:30 -s 352x288 -r 29.97 -b 1152 -ab 224 -ac 2 -f vcd hoge.mpg
はい。ffmpeg 実行時、次のオプションを追加すると、希望する時間が来れば自動的に録画を開始するようにセットできます。簡単なタイマー録画として機能します。ただしコンピュータは、そのあいだ待機状態にしておきます。
-ss 01:30:00 (この場合は、1時間30分後に録画を開始します。)
TVチューナー/ビデオキャプチャカードの設定については、次の項目を参照。