Xine(くしーん)は PC-UNIX で広く使われているマルチメディアプレーヤーです。Xine のコアエンジン(xine-lib)は多くの Linux ディトリビューションに標準採用されています。Xine のフロントエンドは、xlib ベースの xine-ui や、GNOME 標準の Totem、KDE3 標準の Kaffeineなどがあります。
Xine プロジェクトでは、Xine のバイナリーパッケージの公式な配布は行なっていません。
バイナリーパッケージを入手したい方は、サードパーティのリポジトリーを追加し APT/YUM で導入すれば比較的簡単にインストールできます。
ディストリビューション | コマンド |
Fedora/ RHEL / CentOS | # yum install xine |
Mandriva Linux | # urpmi xine-ui |
Debian GNU/Linux | # aptitude install totem |
GNOME 2.2 デスクトップ環境では、[パネル・メニュー] > [個人設定] > [CD Properties] で設定変更できます。希望するメディアにチェックを入れ、必要に応じてコマンドを変更します。たとえば DVD の場合 Red Hat Linux 9 や White Box Linux 3.0 では、vlc dvd:%d がデフォルトの値とされているので、これを次に変更します。
xine dvd:%d
これで、次回よりメディア挿入後に自動再生されるようになります。
なお、 GNOME 2.8 の場合の設定変更は、[パネル・メニュー] > [アプリケーション] > [個人設定] > [リムーバル・ストレージ] > [いろいろなドライブとメディアの設定]タブより行なってください。GNOME 2.8 でも同様、デフォルト値 totem %d を上記のコマンドへ変更してください。
Xine のバージョンによっては、"There is no input plugin available...file/stream source doesn't exit" などと開始時にエラーメッセージがでます。DVD-ROM ドライブが CD-ROM ドライブと兼ねている場合、シンボリックリンクを張る必要があります。rootになり ln -s /dev/cdrom /dev/dvd と実行して /dev/dvd を作成します。
シンボリックリンクを作成する替わりに、Xine の設定項目の input タブより /dev/dvd を /dev/cdrom に書き換えることが可能です。この方法では対処できないときは、上例のようにリンクを張ってみてください。
(参考 1) DVDドライブが /dev/hdc であるときは、ln -s /dev/hdc /dev/dvd のようにシンボリックリンクを張ります。
(参考 2) 上記項目の「メディアを挿入したらすぐ再生を開始するようにしたい。」に従って既に設定変更を済ませてある場合は、GNOME デスクトップ上から操作を行うのにわざわざシンボリックリンクまで張る必要はありません。
DVD-RAM 対応のコンボドライブでは、録画済みの DVD-RAM ディスクをドライブに挿入しても、すぐ再生できないことがあるかもしれません。
この場合には、DVD-RAM に記録されている DVD_RTDV ディレクトリー以下にある VR_MOVIE.VRO ファイルを開きます。選択したファイルを右クリックして、そのメニューの中に「Xine で開く」という項目が表示されたら、これを選択して再生するようにします。
※ これは、Panasonic DMR-EH60 + BUFFALO CRWD-48FB で動作確認したものです。
他の DVD レコーダーで録画したディスクの種類が DVD-R、DVD-RW、 DVD+R の場合には、その機器でファイナライズ(終了処理)を行なわないと、パソコンの DVDドライブで再生することができません。
Xine を起動させてそのメニューボタンから DVD を選択すると、収録されたリストが表示されます。再生したい番組は、そのリストの中から選びます。
※注意 DVD_VIDEO_RECORDER というディレクトリー以下に VIDEO_TS というフォルダが作成された場合、その中の vts_xxx.vob ファイルを実行して再生することができないことがあるかもしれません。
xine-ui の画面を右クリックし、Settings→Setup→GUI のタブから Configulation experience level を「Expert」に設定すると、audioタブの audio driver to use でオーディオドライバを選択、videoタブの video driver to use でビデオドライバを選択できます。両方ともデフォルトはautoになっています。
設定ファイルは、ユーザの ~/.xine ディレクトリに保存されます。もし削除して初期状態に戻したい場合には、$ rm -fR ~/.xine としてください。