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蝉が五月蠅い七月の図書室。三年はそろそろ本腰入れてかからねばとここに集う。静か、冷房、資料の山とこれほど恵まれた環境は無い。
先月までは閑古鳥鳴き放題の図書室も皆考える事は同じで、閑古鳥は何処へと姿を消した。そして焦燥感に招かれた学生が一人、プレッシャーに押しつけられながら机に向かっていた。

世界史、日本史受験の学生が避けられない物、年号暗記。
数多の史上の出来事を事細かく覚えなければならない。しかも大概間違えて覚えるというおまけ付き。
語呂で覚えろと言われるものの、到底全て覚え切れる気がしない。
いい語呂も思い付かず、仕方なく丸暗記しようとするものの、蝉の声が妨害するかの如くけたたましく響く。
結局それを三回繰り返した後、帰路へと着く事にした。

図書室を出ると、遠くの階段に蒼星石が見えた。たしかアイツは世界史受験だったハズだ。
よし、ここは一つ学年トップの常連さんに相談してみようじゃないの。

「あっ、「」君。今帰り?」

「残って勉強しようとしたけど蝉が五月蠅くていかんよ」

「集中出来ないのを蝉のせいにしない」

「いや、ホントだっつの。ところでさ、世界史受験だったよね」

「そうだけど」

いつも思う事だが実に話しやすい。彼女は誰とでも分け隔てなく話す。何故だか分かる気がして来た。
俺は楽な年号暗記は無いかと聞いてみた。大方予想に近い返答が来た。

「何言ってるのさ、そんなのあったらボクが知りたいよ」

「ミス学年一位もお手上げの年号暗記か。通りで分かんない訳だわ、俺」

「あ、そうだ。自分が覚えやすい語呂を作るのがいいかも」

「・・・流石、頭の回転が早いわ」

ペチペチと頭を叩くと、照れ笑いをしながらてを退けられた。
といっても、余りいいごろが浮かばない。どうしたものか。入ったレストランでコーラを啜りながら聞いてみる。

「なー、何かいい語呂ない?手本見せてよ」

「んー、例えば710の養老律令はさ、「大差はないや(710)養老律令」とかかな」

「おっ、何か覚えやすいかも」

「次はキミが考えてみなよ」

いざ自分で考えると、なかなか浮かばないものだ、パッと即答した蒼星石に軽い尊敬の年を覚える。

「なにを(720)するだァー!日本書紀」とか?」

「ふふ、何か二人で考えると楽しいね。」

「また出来たぞ!むしこ(645)ろすぞイッシの変」

「ボクもボクも。端に(842)寄りなよ「」君。承和の変の邪魔だよ」

「ナ(7)ッパお(0)尻いい(1)んだろ?大宝律令ビンビンだぜ!」

「・・・ヘンタイ」

「もう一個あるんだけど」

「何?」

「ナ(7)ッパお(0)尻や(8)だか?和同開チン出るんだろ?」
「スケベ」

冷たい目で冷静に入ってくる蒼星石の突っ込みはかなり効く。

「何か下ネタ絡むとすぐ浮かぶぜ。何か考えてみなよ」

「バカ。ボクがそんなの思い付く訳・・・はっ!?」

突然頭を抱え出した蒼に大丈夫かと声をかける。だが帰ってきた答えに思わず吹き出した。

「も~!思い付いちゃったよ!!「」君のバカ!ボクのスケベ!」
「して、どんなのを?」

「や(8)めてよ「」君。い(1)やだよ、お(0)尻はダメだよぉ・・・薬子の変ビクビクしちゃうよぉ・・・」

「憶えたッ!!!」

「む(6)けてないナニ(72)でナニするつもりだったのかなぁ?まさか壬申の乱とか?(クスクス)」

この蒼星石、ノリノリである。

「S嬢いい!」

「なくな(797)よ「」君。ボクが慰めてあげるからさ。坂上田村麿呂は征夷大将軍だよ」

それから延々と蒼の下ネタ語呂を聞かされた。

「あー、ボクのバカバカ。何であんなに・・・」

訳分からんまま終わる。にしても自分の興味がある物に関連するとすぐに覚えられるぜ