先週は真夏のような暑さだったというのに、
今は秋雨前線によって20度を切るほど冷え込む日が続いていた。
「先週は扇風機で今週はこたつなんて忙しいよね。」
「ホントに、女心と秋の空とは言ったもんだな。」
そんな言葉を口にすると、蒼星石は少し慌てた様子を見せた。
「ぼ、僕はそんな事ないよ、マスター一筋だから心配しないでね!」
「わかってるよ、その言葉を言わせたかっただけ。」
「もぅ・・・・いじわる・・・。」
単純に恥ずかしかったのか、はめられたのが悔しかったのかは分からないが、
蒼星石は少し拗ねた様子になってしまったので、話題転換を図った。
「ところで蒼星石はどの季節が好きなんだ?」
「好きな季節?・・・う~ん、春かな、植物が芽生える季節だし、
育てた花が咲いた時は凄く嬉しいからね、それに日本は桜も綺麗だし。」
「なるほどな、やっぱり自然に囲まれてるのが好きなのか。」
「うん!ところでマスターの好きな季節はいつなの?」
俺の好きな季節・・・蒼星石と一緒なら季節は何でもいいのだが、
ここはしっかりと質問に答える事にした。
「冬かな、鍋物とか美味いし、それに何と言っても温かいからな。」
「あったかい?だったら春とかじゃないの?」
「いや、温かいんだよ。」
首をかしげる蒼星石を、俺はぎゅっと抱き締めた。
「な?二人でこうして温もりを感じてれば温かいだろ?」
「さむいよ・・・」
まさかの返答に驚いたが、蒼星石はこう続けた。
「マスターのその考え方が・・・サムい。」
「何を?そんな冗談いつ覚えたんだ?」
そう言いながら、俺は更に強く抱き締めた、この幸せを噛み締めるように。