「マスター、あのね…。今までずっと黙ってたことがあるんだ…」
「な、なんだ? 黙ってたことって…」
唐突に話を振られて、ちょっとどぎまぎするマスター。
うつむき加減でぽつぽつ話す蒼い子の様子からして、どうやら深刻な話題のようです。
「ビックリしないでね、マスター…。実はね、僕…。
もうとっくにローザミスティカを奪われているんだ…」
「な、なんだって! でも、それならどうして…。いや、それ以前に、奪ったのは誰なんだ…?」
「もう! …マスターってば、鈍感なんだから…」
蒼星石はちょっとむくれたように、可愛らしく頬を膨らませ、続けます。
「ローザミスティカは僕の<こころ>。…それはとっくに、マスターに奪われてしまったんだ…。
だって…そうじゃなきゃ…こんなに…いっつもマスターのことで、胸がいっぱいになるはず、ないもん…」
いつものようにうつむき加減で、ぽつぽつと話す蒼い子のほっぺたが、
ほんのりときれいな桜色に染まっていました。

おしまい