• あらすじ
いつもどおり学校で居残り補習をさせられていたヘッポコ人間の俺は、帰り際にグラウンドで見たこともない異種格闘技のたぐいを目の当たりにする。
それを見た恐怖のあまり、校内へ逃げるが一方のドールに刺殺される。
が、なぜか生き返った俺はいったん家に帰るも、再び黒いドールと対面してしまう。なんとか倉庫に逃げ込んだ俺は直接脳に話し掛ける声に応じ、"セイバー"のドール、「蒼星石」と契約することに。

「"庭師"のドール、セイバー。あなたの呼びかけに応じ、召還されました。契約をお願いします。」
鞄から飛び出した、水銀燈と同じドールであろう者が俺に左手を差し出す。その薬指には薔薇をかたどった指輪がはめられていた。
「契約?何なんだそれ?」
本当に何も知らない俺はドールに尋ねる。
「契約とは、人間と"ローゼンメイデン"のドールズが交わすもので、アリスゲームを優位に運ぶための手段です。
 契約した人間はミーディアムとなり、自分の生命力を削り、ドールに供給します。供給されるドールはより強大な
 力を得ることができ、これによってアリスゲームを優位に運べるようになるんです。」
「ふーん・・アリスゲームについて今聞くのはやめておく。でもな、生命力を削るんだろ?全部削られたらどうなる?」
「多分、死んじゃうと思います。僕もそこまで力をつかったことないけど」
「契約なしではあの・・・そうだ、水銀燈とかいうのに勝てるか?俺は無闇やたらにそんなことをする必要もないと思うのだが。」
「僕単体だと無理です。水銀燈の宝具はミーディアムが居なくても力を吸い取れます。だからミーディアムがいないと勝てない思います。」
そのドールは淡々と話す。どうやら契約しないとこいつも、そして俺もヤバいらしい。そんなころ、忘却のかなたに放られていた水銀燈がこちらに向かってきた。それを見たドールは俺に契約を促す。
「契約て・・どうすればいいんだ?誓約書とか前金とか履歴書は必要ないよな?」
「もちろんです。ただこの指輪に誓いのキスをするだけです。」
「誓いの・・・キス?」
頭の中で固有妄想結界が展開され始める。こうなった俺はノンストップだ。
「契約、する!するぞ!」
と意気込み、俺はそのドールの華奢な指にはめられている指輪にキスをする。すると指輪から日光にも負けず劣らず輝きだす。
それと同時に俺の左手の薬指に焼きごてを当てられる様な激痛を感じる。数秒もたつとそれはドールがはめていたものと同じ、薔薇の指輪が存在していた。
「ありがとう、これであなたは僕のマスターです。レンピカ!」
そう、ドールが俺にスマイルを見せつけ、指をパチンと鳴らせる。しかし鳴らなかったのでもう一度指をこすらせる。今度はパチッと音が鳴る。
するとドールの背後が灰色の空間に侵食されていく。例えるなら水銀のような感じだ。そしてその空間から異様に大きい鋏がズブズブと音を立てつつ生えてきた。
そしてドールはその鋏を手に握ると一息に水銀のような空間から引き抜く。
鋏を構え、臨戦態勢をとってドールに俺は最後の質問をする。
「名前は?」
「僕は・・・蒼星石。ローゼンメイデン第4ドールです。」
そう言うと蒼星石と名乗ったドールは地面を勢いよく蹴り、もう一体のドール、水銀燈に戦闘を仕掛けていった。
一方、水銀燈は俺をすぐに殺せないことを理解すると、大して蒼星石の攻撃に応じず空を飛び、逃げてしまった。