【陸路で水路でアンコールを目指せ!!】
第6話)断崖絶壁のプレアヴィヒア

《カンボジア旅行記|ポイペト|バッタンバン|シェムリアップ|プレアヴィヒア|》

スラエムの宿につくと、宿のスタッフから「プレアヴィヒアに行くのだろう。タクシーで往復25ドル、モーターバイクで15ドルだ」と誘われた。無論バイクタクシーを手配してもらう。

カンボジア旅行記|意外に立派なスラエムの宿
意外に立派なスラエムの宿

しばらくするとバイクがやってきた。後ろにまたがり緑豊かなカンボジアの大自然を感じながら、タイ国境近くにある遺跡に向かって疾走する。

天気は曇り気味のため暑さはほとんど感じない。8月のカンボジアは雨期の始まりであるため、雨で酷い目に会うことを心配していたが、これまでのところ雨は早朝や夜中に降っており、大きな問題なく過ごせている。

 ポツ ポツ

一瞬冷たさを感じたが気のせいだよな。

 ポツ ポツ ポツ ポツ ポツ ポツ

ありゃりゃ、もしかしてこれは本格的な雨かも、そう思っているうち辺りは急に暗くなった。

 「レイン(雨だ)」

そう言って運転手はバイクを止めた。オイラも雨対策用に購入したレインポーチをリュックから取り出した。できればこれを使うことのないようにと祈っていたのだが… 熱帯のスコールが降るなか、遺跡のチェックポイントに向かってズブ濡れになって進むしかなかった。

チェックポイントに辿り着くと、すぐに料金所の軒先に避難。ここで入場料を払うと共に、遺跡への登山道を行く専用車の運賃も支払う。専用車は屋根付きピックアップトラックが6人乗り25ドル、バイクタクシーが5ドルである。正直この雨の中、さらにバイクに乗るのはもう嫌だ。だが屋根付きトラックで25ドルも払うのはもっと嫌だ。さてさて、どうする?

そうだ、団体客に紛れこもう。

ちょうどいいことにカンボジア人の一家5人が4WDのピックアップトラックに乗ろうとしていたので、オイラもシェアさせてくれとお願いしたところ、快く迎え入れてくれた。

一家はプノンペンで何と日本料理店を経営しているという。家族の名前を紹介されたが難しすぎて覚えられない。ただ娘の名前だけは「ユリ」とわかりやすい名前だったので、以下登場人物はユリちゃんパパ、ユリちゃんママ、等とする。

カンボジア旅行記|4WDトラックに乗り換え遺跡を目指す
4WDトラックに乗り換え遺跡を目指す

4WDのトラックは恐ろしい急勾配の坂道を力強くグングン登っていく。途中で道路に小川のような水たまりもあったが、4WDなら何の問題もない。つくづくバイクタクシーで来なくて良かったと思う、と言うかこんな山道をバイクで登れるのか?

遺跡入口に付く頃には、激しい雨はほとんどやんでいた。ここからユリちゃん一家と一緒に遺跡巡りとなるのだが、まあ、ユリちゃんパパの写真好きなこと!! ちょっと歩いたかと思ったらすぐスマホで家族写真をパチリ、そうかと思えば自撮りでパチリとなかなか先に進まない。

カンボジア旅行記|ユリちゃん一家と遺跡巡り
ユリちゃん一家と遺跡巡り

この遺跡はタイ国境近くにの高台にある。遺跡の端は断崖絶壁になっており、そこからの眺めは絶景だと聞いていた。そして遂にその高台にやってきた。WOW!! 想像以上のスケール感。カンボジアの大地が遥か彼方まで見渡せる。

カンボジア旅行記|プレアヴィヒア遺跡の端は断崖絶壁の高台!!
プレアヴィヒア遺跡の端は断崖絶壁の高台!!
カンボジア旅行記|プレアヴィヒア遺跡の端は断崖絶壁の高台!!

しばし圧倒的なパノラマの光景に酔いしれていると

 ブン ブン ブン ブン ブン ブン

と、空から変な音が聞こえてきた。なにやら虫が飛んでいるようだ。まさか蜂の大群の来襲かと身構えると、それはなんと断崖絶壁の上空を飛翔するドローンであった。驚かせないでくれ、持ち込んだ観光客!!


一通り遺跡巡りを終え、ユリちゃん一家と遺跡地区を下山する。途中に土嚢を積んだカンボジア軍の施設があった。なんだろうと思っていると、ユリちゃんパパが兵士に声をかける。すると子供達は土嚢の積まれた基地の中に入った行った。そしてその中にあったものとは、

 望遠鏡!!

ユリちゃん兄、ユリちゃん弟が競って覗き込む。

 「タイランド!!」

ユリちゃんパパが対岸の丘を指差した。ここは以前カンボジアとタイで領有権をめぐって発砲事件が起きたことがある。無論今は小競り合いは収まっているが、軍による監視活動は続いていたのだ。

カンボジア旅行記|カンボジア軍の監視所で望遠鏡を覗く子供たち
カンボジア軍の監視所で望遠鏡を覗く子供たち
カンボジア旅行記|カンボジア軍の監視所で望遠鏡を覗く子供たち

 「あ、タイの国旗だ。監視所が見える。」

いつの間にかオイラも望遠鏡を覗いていたのだが、国境の警備を第三国の日本人ツーリストに任せていいのか、カンボジア軍よ。

カンボジア旅行記|タイ側の監視所
タイ側の監視所

まるでスカイツリー展望台からの望遠鏡のノリで、カンボジアとタイの和平は守られているのであった。

(続く)


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最終更新:2019年09月16日 11:12