337 :暇つぶしのエロ小説2 著作 沢村智紀:2009/07/29(水) 11:02:57 ID:qkGI+B3z
 暇つぶしのエロ小説2 著作 沢村智紀


 自室に智紀を連れ込んだ純は、鍵をかけるとすぐ、その場で智紀の背後から体を抱きしめた。
 純の長い両腕が智紀の細いウエストを締め上げる。
「あの……もう始めるんですか?」
「がまんできねーんだ」
 純は智紀のあごを左手で掴み、後ろを向かせる。そして、そのまま唇を奪った。
 智紀も返事をするように唇を差し出す。二人はしばらく、キスの会話に勤しんだ。
「……んん、強引すぎます」
「嫌いじゃないだろ?」
「ですけど……」
 唇に酔った二人は、そんな会話をして微笑み合う。
 純は腕を智紀の体に巻いたままくるりと回って正面に立つと、智紀のメガネに手をかけた。
「メガネ、どうしてしてるのさ」
「コンタクトにしろ、ですか」
「その方がぜってーカワイイって。服もそんなんじゃ――」
「いいスタイルが台無し……ですか?」
 体を重ねる前にいつも始まる会話。お決まりだけど、どこか安心する会話。それは、愛を確かめる儀式を始めるパスワードになっていた。
 純は智紀のメガネを外すと、屈んで智紀のひざ裏に腕を通した。そして、そのまま抱き上げた。お姫様抱っこだ。
 そして、そのまま純はゆっくり歩き出した。
 智紀はクスリと笑って問いかける。答えは分かっていると言わんばかりの問い方だ。
「どこに連れて行く気?」
「いい所だよ」
「いい所?」
「気持ちよくなれるトコロ」
「……えっち」
 他愛無い会話の後、智紀はベッドに寝かされた。


 龍門渕高校麻雀部部室で、智紀は一人、ノートパソコンを広げていた。
「おーい、ともきー」
 名前を呼ばれ、パソコンのキーを打つ手が止まる。呼んだのは純だった。
 声を聞いただけで、今書いたばかりの場面が頭に浮かび上がり、頬が上気した。
「ん? 顔が赤いな。エロサイトでも見てたか」
 純はニヤリと笑って画面を覗き込んだ。そして、打ち込んである文字を追う。
「これ、昨日のことじゃねーか。よく会話まで覚えてんなー」
「はい、忘れないように書いてるから」
「ほんっと、お前はまめだよなー。で、この先はエッチ突入だよな」
「今から書くところ」
「おし、オレも一緒に思い出すわ」
「ここで再現しないでくださいね」
「わーってるって」
 翌日から、二人は部室立ち入り禁止にされた。


 終

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最終更新:2009年08月03日 18:51