94 :名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 01:05:23 ID:KPE9+qJy
四校合宿ネタ投下します
4レスくらいお借りします
かじゅ×咲、かじゅ×モモだけど百合分極薄
少し病むモモが見たくなければスルーお願いします

四校合宿ネタ
悪魔の資質

合宿の食事の時間は他校の生徒たちとの交流の機会も兼ねている。
「あっ!鶴賀の加治木さんだ!」
加治木は一人でいるようで、まだ食事は始めていない様子だった。
「あの・・・この席座っていいですか?」
「ああ、構わんが」
 咲は少し緊張しながら話しかけたが、加治木は特に表情を変えなかった。
「ありがとうございます・・・あ、そうだ、今日の半荘10回戦勝負、優勝おめでとうございます!」
「・・・どうも」
「6回戦目くらいから疲れちゃって・・・それまでは私と天江さんの一騎打ちだったのに・・・」
「きみも天江衣も、長期戦向きじゃないからな。天才型は持続力よりもキレだからな」
「わ、私が天才!?そんなことないですよ!加治木さんこそ、大会の時の槍カンとか差し込みとか・・」
「わたしのは、あくまで凡人の読みに過ぎないさ。それに、わたしなんかが天才だったら
 きみたちは何なんだ?怪物か悪魔か・・・ま、料理が冷めないうちに食べようか・・」
 はじめ、少し無愛想に思えた加治木だったが、表情が弛緩し、会話も弾みそうなので咲は安心した。
 食事を始めてからも、良い雰囲気で時が流れていった。
「加治木さんってかっこいいですよね!結構学校では人気あるんじゃないですか?」
「・・・別にそんなことは無いが・・・」
「ファンクラブとかあったりして!うちの部長もあるらしいですし、きっとありますよ!」
 普段の咲はあまり自分から話をしないほうだが、このときはなぜか饒舌になっていた。
 食事も終わる頃、咲はまた軽い気持ちで質問をした。
「そういえば、加治木さんはどうして麻雀をやっているんですか?」
「うーん・・どうしてって言われると案外難しいな・・・そういうきみはどうなんだ?」
「え、私ですか?」


 咲がすぐ思い浮かべたのは、姉の姿だった。麻雀を通じて、また姉と元通りになりたいという願い。
 そして、姉とこの加治木が同い年であること、少し威圧感があり、人を遠ざけるような感じがするが、
 心の奥はとても優しく、人のことをだれよりもよく考えている―似ているな、と思った。
 今までほとんど話したこともない加治木の前で積極的になっているのも分かった気がした。
「・・・加治木さん、私には今東京にいる姉がいて、会うために・・今はそれが一番の理由です」
「そうなのか、きみも色々大変なんだな」
「小さい頃、内気であまり友達がいなかった私と遊んでくれたのも、麻雀を教えてくれたのも姉です」
 この後も、咲は語り続けた。加治木は表情を変えないが、真剣に聞いてくれているのが分かった。
 咲は、何かこみ上げてくるものをこらえて、意を決して加治木にこういった。
「加治木さん、お願いです!今夜、私と一緒に寝てくれませんか?」
「はあ~!?な、何言ってるんだお前!?」
 今まで冷静だった加治木も明らかに動揺を隠せない様子だった。
 たまたま近くを歩いていた蒲原も、驚きのあまり転び、持っていたデザートを盛大にブチまけた。
「宮永・・・何を言ってるのか分かっているのか?間違えて酒でも飲んだのか?」
「私は正気です!でもそういう・・意味で言ったんじゃなくて、ただ同じ布団で寝て欲しくて・・」
「だからそれが大問題だって言ってるんだろうがっ!」
「・・・加治木さん。恥ずかしいんですけど、私はこんな歳になってもお姉ちゃんのことが
 大好きなんです。昔別れたままのお姉ちゃんが・・。加治木さんはそっくりなんです。
 お姉ちゃんの代わりに甘えさせて欲しいんです・・・」
 咲の様子を見て加治木は何か考えた様子の後、こう言った。
「わたしに代わりになれと?顔も知らないきみの姉に?そして今日親しくなったばかりのきみと寝ろ?」
「・・・お願いします!今日だけでいいんです!お礼は何でもします!」
「何でもするとかあまりそういう言葉は使うんじゃない・・・まあ、でもその熱意に負けたな・・。
 部屋割りを変えてくれるよう頼んでみるか・・・。あと、今日は私をお姉さんと思って
 思いっきり甘えるんだな」
「あ・・・あ、ありがとうございます!!」

 咲が頭を深々と下げると、加治木は席を立ち、主催者の龍門渕透華のところへ向かった。
「さっき彼女のことを悪魔だとか言ってしまったが・・・そんなことは無かったな。
 あんなかわいい悪魔がいるわけが無い・・・」
 麻雀を打つと鬼神と化す咲の普段の様子を知り、加治木は咲への認識を改めた。
「えーと・・・どの席だったかな・・・あれ?」
 ゆっくり歩いていた加治木だったが、いきなり体が重くなりついには歩けなくなってしまった。
「・・・先輩・・・」
 どこかで聞いたような、いや、普段一番聞いている声が背後から聞こえた。
「お、お前はモモ!どうしてここに!?」
 加治木の後輩、東横桃子だった。その体からは黒いオーラが出ているのがわかった。
「・・・いつから居たんだ」
「先輩が・・思いっきり甘えるんだな、って言ってた時だから最後の方っすね・・。
 まあその前のことも全身果物まみれになった蒲原先輩から全部聞いちゃったわけっすけど・・・。」
「待て・・待てモモ・・これには訳が・・・。いいから両手をわたしの胸から離すんだ」
「私にはあんなセリフ言ってくれたことも無いのに・・・先輩の一番のこの私には・・・」
「!!!む・・胸から手を離せと言ったが・・・どこに手を入れてるんだッ!」
 大変な状況になっている加治木だったが、周りから見れば一人で騒いでいるように見えた。
「う・・うわ、どこへ連れて行く気だ、モモ」
「先輩があの女とXXXしようとしていた寝室っす。」
「だからそういう性的なことはしないって宮永自身も言ってただろうが・・・」
「そのときはまだ私はいなかったしわからないっすね。・・・それに同じ布団に入ったら
 何が起きても不思議じゃないっす・・・さあ・・・いくっす(二重の意味で)・・・」
「や、やめろ、わたしが悪かった、お前を裏切った、謝る・・・やめろおおオオオ」
 必死に抵抗しながらも引きずられていく加治木。その際色んなものに
 ぶつかりながら出口に連れて行かれたが、そんなことに気づく余裕もなかった。
「華菜ちゃんこんな高そうなスープ飲んだことないし!」バキッ!ビシャッ!バリーンッ!
「知ってる?福路さん、モンブランとティラミスって・・・」ドカッ、グチャ、ベチョ・・
「(ああ、上埜さんとこんなに話が出来るなんて)・・あれ、うえ」ドン、グシャ、デローン・・
 その他さまざまなところでも騒然となっている中で、一人冷静な者がいた。

「(加治木さん一人でどこに行くんだろう・・訳のわからない事話してるし・・・
 あの人こそお酒飲んでたのかなあ・・・やっぱり、今日は最初の約束どおり
 原村さんと天江さんと三人で寝よう・・・お姉ちゃんの代わりなんてやっぱいないよね・・)」
 部屋から出る寸前に咲のその様子に気づいた加治木。咲の隣には原村和と天江衣の二人がいて、
 楽しそうにしゃべっていた。両手に花状態。加治木は、すべてを悟った。
「(くそっ!宮永・・・やはりあいつは悪魔だった!あいつは人を引き寄せるのが上手な
 悪魔だ!冷静沈着で有名な原村と現役の王、天江を多分もう落としている・・・!
 それに飽き足らず更なる開拓・・考えてみれば、いきなりその日の夜一緒に寝るなんて
 どう考えてもおかしい話だ!そして本人におそらく自覚は無い・・・
 自分がその力に気づいていない・・・あんな恐ろしい悪魔に近づくんじゃなかった!)」
 こうして食事会は終わった。騒ぎになっていたので、加治木たちを気にかけるものはいなかった。
 
 翌日
「ロォンッ!タンピン三色、マンガンですわ!」 「ぐっ・・・」
「ロン!リーチ一発白ドラ3、ハネ満だじぇ!」 「ぐ・・・・」
「それです加治木先輩、清一ドラ3、親倍―!」 「・・・・・」
 明らかに寝不足、しかもやつれているように見えた加治木は、見事に惨敗した。
 咲も、目が異様にぎらついている桃子に終始まとわり付かれ、8位という微妙な結果に終わった。


 終わりです。
 咲はハーレム作れそう。

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最終更新:2009年08月03日 18:25