長沙馬王堆


  • 女性の死体がほぼ完全な形で発見される。その肌は弾力性すら保っていたと言われる。棺を覆っていた5トンもの木炭や白陶土による密閉性、さらに棺内にたまっていた液体に多量に含まれた朱砂(硫化水銀)の防腐効果などのせいであると考えられる。

  • 発見された古屍は前漢時代、長沙地方を領有していた軑侯利蒼の夫人と思われる。

  • 土木作業者がタバコを吸おうとしたところ、地下から噴出したメタンガスに引火し、そのガスから古墳の存在が発見されたという経緯がある。有機物が埋もれているためにガスが発生する古墳を「火洞子」「火坑墓」といい、この馬王堆も同様であったとのこと。

  • 発掘された副葬品のうち、有名なのは帛画。この時代の宇宙観などを描いたもので、頻繁に関連書に引かれる。



(『中国 考古と歴史の旅』村山 孚 中公文庫)
最終更新:2018年02月25日 02:40