聖トマス




  • インドに布教に向かったという伝説を持つ。

  • マルコ・ポーロ『東方見聞録』によれば、インドのマアバール地方(インド東岸南部のコロマンデル海岸付近に比定される)に
   トマスの亡骸が安置されている場所があるという。
   ほとんど人の住んでいない町だと言う。マドラス近郊のマイラブール、現在のサン=トメのこと。
   同書によれば、聖トマスはこの地で、ゴヴィという下層カーストの者たちの祖先に殺されたので、
   この亡骸の安置されている場所には、ゴヴィの者たちは決して立ち入ることができず、
   30人以上の人たちが力づくで押さえつけても、一人のゴヴィの者を領地内に留めておくことができないという。
   ちなみにその所伝によれば、ゴヴィの一人がクジャクが群れているのを弓矢で射たところ、
   その矢が聖トマスに当たったのが死因であったのだとか。
   また、この地に巡礼に訪れるキリスト教徒はここの土を持ち帰るという。これを四日熱や三日熱(マラリア)を
   患った病人に飲ませると、すぐさま平癒するのだとか。


      参考文献
『マルコ・ポーロ 東方見聞録』


最終更新:2016年11月04日 01:48