カエサル暗殺
- ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』に、カエサルの死の百日前、フォロ・ロマーノ(中央広場)の
カエサルの彫像近くに落雷があり、像の印刻文字のうち先頭の「C」が欠けて取り去られたとある。
カエサルの死後
- オウィディウス『変身物語』に、カエサルがその死の直後、ウェヌス女神の手によって
神とされるべく魂を取り上げられ、天の星々の元へ運ぼうとしたが、
その途中で魂が光を発して燃え始め、ウェヌスが手を放してしまうと
炎のような尾を長く引きながら星となって輝いた、とする記述がある。
競技会を行っている際に、七日間に渡って彗星が観測され、そのためこれを
「カエサルの霊が不死なる神々の間に受け入れられたことを意味する」と解釈し、
ローマ神殿内のカエサルの胸像に彗星を刻み付けたとする記事がある。
またそのため、ローマの神殿は世界で唯一、彗星を信仰の対象とする場所である、とも。
- ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』に、カエサルの死の翌日、東方に太陽が三つ昇り、
それらが少しずつ寄り集まって一つの太陽になった、とする記述がある。
ゲルウァシウスはこれについて、これはレピドゥス、
マルクス・アントニウス、
アウグストゥスの
権力がやがて再び一つに収斂し君主制になることを示していた、さらに言えば
三位一体の神がやがて世界中に宣布されることを意味していたとコメントしている。
- また『変身物語』に、カエサルがアイネイアスの子孫であるとする記述や、
- プリニウス『博物誌』第七巻に、ユリウス・カエサルが手術によって出生した事が記されており、
「カエサルはその名を母親に施された外科手術から得た」、また「彼の家族名カエソの起源も同様」であると記している。
- 同じ『博物誌』第七巻に、カエサルの精神力に関する記述で、彼が重要な事項に関する四通の手紙を同時に口述し、
また他にすることがない場合には七通の手紙を同時に口述した、とする記事が載る。
- プリニウス『博物誌』第八巻に、カエサルの馬はカエサル以外の誰かを乗せることを拒んだという記事がある。
また、その馬は前足が人間の足に似ていた(指がくっついていて蹄になっていない意味か)とも。
参考文献
『変身物語(下)』オウィディウス
『プリニウスの博物誌 Ⅰ』
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
最終更新:2016年11月06日 03:45