- 「サモスのピタゴラス」「サモスの賢人」などとも呼称される。
- ピタゴラス個人の素性については判明している事が少なく、
紀元前530年ごろに南イタリアの都市
クロトンに移住、そこでピタゴラス学派を立ち上げた。
しかし政治面で政敵が多かったことから紀元前500年ごろにクロトンを離れて
同じ南イタリアの
メタポンティオンに亡命し、数年後にその地で亡くなったとされる。
- 三平方の定理の通称「ピタゴラスの定理」は有名だが、史実としては
ピタゴラスやピタゴラス学派がこの定理の人類最初の発見者であった可能性は極めて低いと目されている。
(三平方の定理が、一般的・普遍的な定理として記述されている最も古い資料は
古代インドの『シュルバスートラ(縄の経)』で、紀元前6世紀成立)
- ただし、ピタゴラス学派が三平方の定理を元に、「自然数の比=分数で表現できない数(無理数)」を発見していた事は
ほぼ間違いないとのこと。
- プリニウス『博物誌』では、金星が太陽のまわりで交互に進路を変えること、
宵の明星と明けの明星などの特性を初めて発見したのはピタゴラスだったと記している。
- なお、オウィディウス『変身物語』の最後の巻、巻十五に登場してその過半を占める分量の演説を行い、
獣の肉を喰う事をやめて穀物や果実などを食べる事をすすめ、また様々な事例をあげて
万物流転を説くという役割で登場している。
(zsphereコメント:万物流転って別な人の主張じゃなかったっけ?とも思うが(笑)、
しかし様々な人間や神、動物などの「変身」を語ってきた『変身物語』にあって、
この最後の大演説は正にその要となる基調講演になってもいるわけで、
そういう役割がピタゴラスに振られている事には注目して良いと思われる)
参考文献
『数学の想像力』加藤文元
『変身物語(下)』オウィディウス
最終更新:2016年01月31日 04:10