84gの幸せ

番外編 トガの××××の理由。

最終更新:

wahamuda84g

- view
管理者のみ編集可
(作者視点)
バトルシティ三日前、既に彼等の戦いは始まっていた。
   「……俺はこのままターンエンドだ。(手札6・伏せ3・発動中1)」
   「ひ、引く手札が無いィィ、ヒイイィ!?」
数年前から続く同士の抗争レアハンター同士の抗争、グールズと制々正念党は伝説の神のカードを掛けた大会にひとりでも多く参加するためにパズルカードを集めており、
グールズのパズルカード収集部隊、ウォンビック・ブラックマインは4枚目のパズルカードを手に入れていた。
   「………すまないな、せっかく手に入れたカードだったのにな……。」
本当に申し訳無さそうに、青年のデッキ切れを起こしたデュエルディスクから、パズルカードを取り外した。
   「流石ですね、ブラックマイン様、これでノルマよりも2枚も多く手に入れましたよ。」
   「……そうだな。」
   「これはこれは、壁部隊総長のブラックマイン様では有りませんか。」
立ち去ろうとする2人の前に立ちはだかったのは、奇妙な仮面とシルクハットを付けたスーツ姿の男―――奇術師パンドラ。
   「ブラックマイン様、このお方は誰ですか?」
トガの言葉に答えたのはウォンビックではなく、奇妙な男その人。
   「始めましてお嬢さん、私の名前はパンドラ、ブラックマジシャン使いのパンドラです。」
   「……何の用だパンドラ、貴様の第一実戦部隊はバトルシティの実働部隊だろう、今は電車の発射時刻を待つように待機中のはずだ。」
   「いえいえ、待機中では私の部下達も腕が鈍ってしまいますからね、 貴方の部下を何人か貸して頂きたいと思いましてねぇ。」
   「テストプレイならば、第一実戦部隊内ですれば良いだろうが、どうして俺の部下を貴様等の肥やしにしなければならん?」
実戦部隊は第一から第三まで有り、それぞれの部隊長が自分の隊に欲しいデュエリストを選んでドラフトして、隊分けをしているが、
このパンドラは、実力の高いデュエリストをとにかく集めているので、第一実戦部隊はポテンシャルが高く為っている。
(第二実戦部隊長は普通の人物だが押しが弱く欲しい人材が取られ、第三実戦部隊隊長の神 次郎は自分が目立つために弱いデュエリストばかりを集めている。)
当然非公式設定だがな!
   「デュエル前にはやはりデッキ調整が必要でしょぉう、ですがァっ、デュエルに負ければそれだけで闘争心が萎えてしまう場合もありまからねぇ、
    手頃な相手で自信を付けさせて貰いたいんですよ。」
   「……パンドラさん、それは私たちにとても失礼で、とても癇に障ります、訂正してください。」
トガが礼儀正しくも高圧的に告げるが、パンドラには全く応えていない。
   「――それではお嬢さん、私と貴女がデュエルをし、貴女が勝ったら訂正致しま…ルォファ!?」
突如として入ったトガの回し蹴りがパンドラの首を半回転させる。
   「ふざけてるんじゃない! この×××仮面! あんたが訂正するのは当たり前の事なのよ!」
……アレ?


(作者視点)
デュエリストの王国、デュエリストとはいえ夜はほとんどのデュエリストが腕を休め、休息を取っている、
トガもその例外ではなかったが……静かな夜に響く、最小限のモーター音に起こされ、トガは目を覚ました。
面倒臭がる人間ならこのまま寝直すのだが、この島に居るのはデュエリスト、好奇心の強い人間ばかりだ。
   「……不正参加者かしら?」
森の終わりまで急ぎ、茂みからボートを覗き込むトガ。
そこには十数人の黒い影、グールズだ!
   「んああああぁああ、6時間も船の中だったから首が痛いわ。」
   「オーウ、巳式サーン、そういうタイムは『ニックシルバー船長の首凝り解消術』をブックチェックするとグッドデース。」
   「ああ、じゃあ後で見せてニック。………どうしたの? ウォンビック?」
巳式と呼ばれた黒フードが、最も大きな黒い包みに向かって問い掛けた……否、トガがその大きさゆえに荷物と認識していた人物に話かけた。
   「……いや、なんでもない……お前らは先に城を目指してくれ、俺は後からオニゴッコの鬼の様に追いかける。」
   「オウ、スタンドショーベンですか? それならワタシもツレションして良いデスカ?」
   「………いや、大便だ、一緒には無理だろう。」
恥もなく言い切るウォンビック君、トガの隠れている茂みを見つめている彼の瞳は、今まで無生物の黒い物体と思っていた物とのギャップが大きく、
トガさんの心に異常なまでに残った。
   「モーマンタイでーす、ワタシも実はビッグ……」
バグシャァッ
脇を占め低い位置から跳ね上げるように放った巳式のコークスクリューは、正確にニックの顔面を捉えている。
   「ウォンビック、あの『茂み』の片付けは任せて良いのよね?」
   「痛い、激痛、もうマジで痛いってこれ…。」
   「黙ってて、ニック。」
今度は軽くニックの口を塞ぐ。
   「……任せろ、後片付けもしっかりするのは野糞の基本だ。」
言ってから仲間を見送り、トガの茂みに歩み寄るウォンビック。
   「さて、正規参加者のデュエリスト、先に謝っておく、申し訳ない。」
   「な…何がですか?」
   「これから俺たちはこの大会を潰す、こんな離島まで来ていたのにな……だから先に詫びておく、悪い事をする。」
   「……貴方は強いんですか?」
   「自信は有る……が、俺はグールズだ、デュエルするならアンティをしなければならない、
    大会を台無しにしてカードも奪うのでは仁も立たない、虫の良い話だと思うが、見逃させてくれ。」
それでもまだまだ高いが、頭を深々と下げる大男。
   「貴方、勘違いしてませんか?」
   「何をだ。」
考えてなく、口から出任せのトガ。
   「…強い人とデュエルさえ出来ればデュエルの大会なんてどうでもいいんです、悪いと思うならデュエルしなさい。」
   「……君が望むならば受けても良い、 ただしアンティは無しだ?」
   「問題ないです、この先にデュエルボックスがあるので、そこでやりましょう。」



王国ルール
第一条、デッキ枚数は40枚固定。
第二条、初期LPは2000
第三条、直接攻撃は出来ない。
第四条、モンスターの通常召喚に生贄を必要としない。
第五条、フィールド魔法は使用禁止。
第六条、通常魔法・装備魔法・儀式魔法カードはスペルスピード2として処理されるが、スペルスピード1以上の効果にはチェーン出来ない。(フェイズ・攻撃宣言にのみ。)
第七条、フィールドパワーに適応するモンスターは、攻撃力・守備力が30%アップする。

   『デュエル!』
トガのフィールド:森15% 草原10% 海25%
ウォンビックのフィールド:森35% 海15%

   「先攻か後攻、好きな方を選んでくれ。」
   「……私は遠慮なく私は先攻を頂きます、ドロー。(手札6)
    場にカードを2枚セットして、裏側守備表示でモンスターを召喚、ターン終了(手札3枚・伏せ2)しますので、あなたのターンです。」
   「……手加減は出来ないからな、ドロー。(手札6)、
    俺は〔おジャマ・グリーン〕を守備表示で特殊召喚する、もちろん森のフィールドパワーを受けてパワーアップだ。」

おジャマ・グリーン 攻撃力0 守備力1000 星2 光属性 獣族
あらゆる手段を使ってジャマをすると言われるおジャマトリオの一員、
3人揃うと何かが起こると言われている。

おジャマ・グリーン 攻撃力0→攻撃力0 守備力1000→守備力1300
   「2枚伏せて、ターン終了だ。(手札3・伏せ2)
   「私のターンです(手札4)、 私は手札から〔氷帝メビウス〕を召喚します、ただし生贄召喚でないから効果は発動しませんが、
    海のフィールドパワーソースで〔メビウス〕の攻撃力はアップです、そして続いて伏せカードの〔最終突撃命令〕を発動します。」
氷帝メビウス 攻撃力2400→攻撃力3120 守備力1000→守備力1300

氷帝メビウス 攻撃力2400 守備力1000 星5 水属性 水族
このカードの生け贄召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カード2枚を破壊する。

最終突撃命令 永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上に存在する表側表示モンスターは全て攻撃表示となり、表示形式は変更できない。

   「そして攻撃します〔おジャマ・グリーン〕の攻撃力は0で、私の〔氷帝メビウス〕は攻撃力3120なので、何もないなら私の勝ちです。」
おジャマ・グリーン→攻撃表示
   「だが俺は〔おジャマ・グリーン〕を生贄に捧げて、〔玉砕指令〕を発動し、伏せカード1枚を破壊する。」

玉砕指令 通常罠
自分フィールド上に存在するレベル2以下の通常モンスター(トークンを除く)1体を選択して発動する。
発動後、選択した通常モンスターを生け贄に捧げ、相手フィールド上の魔法・罠カードを2枚まで破壊する事ができる。

おジャマ・グリーン→墓地へ
トガの伏せカード(死霊ゾーマ)→墓地へ
   「王国ルールではプレイヤーへの直接攻撃が許されない、よって〔メビウス〕は攻撃対象を失い、無効となる。」
   「それならば、私は1枚伏せてターンを終了します。(手札3・伏せ0・発動中1)」
   「……君は攻撃力に頼りすぎだな、俺のターン、ドロー(手札4)、
    俺は伏せカード〔おジャマトリオ〕を発動し、手札から〔G・HERO おジャマン〕を通常召喚する。」

おジャマトリオ 通常罠
相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を3体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)
「おジャマトークン」が破壊された時、トークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。

G・HERO おジャマン 攻撃力1700 守備力1500 星4 光属性 獣族(オリカ)
相手フィールド上の「おジャマ」と名の付くモンスター1体を生贄にする事で、ターン終了時までこのカードの元々の攻撃力を500アップする。

G・HERO おジャマン 攻撃力1700→攻撃力2210 守備力1500→守備力1950
ドピンクの頭に、剣と盾しか装備してない変なモンスターが出現した。
   「更に〔おジャマ・トークン〕はお前の〔最終突撃命令〕の効果で攻撃表示だ。」
   「な…!?」
   「そして、〔おジャマン〕の効果で〔トークン〕2体を生贄に捧げて、攻撃力を1000アップさせる。」
おジャマ・トークン→消滅
おジャマ・トークン→消滅
G・HERO おジャマン→攻撃力2210→攻撃力3210
   「おジャマンのアニキ! オレ達の力をあんたの力に加えてくれ!」
   「任せておくのだ~ 苦しゅうない~ 苦しゅうない~。」
ドピンク頭の眼球が開き、その眼球から縄梯子が降り、その部分に黒と黄のトークンが乗り込み、ハッチを閉めた。
   「…ちょ、ちょっと待てー! 俺は? 俺は!?」
ひとりだけで残った緑のトークンに向け、剣を構えるドピンク。
   「すまん……グリーン。」
   「ごめんねー、グリーン。」
   「ちょっとマテぇぇえええ!」
どす。
   「酷いぜイエロー! 鬼かブラックー!」
〔G・HERO おジャマン〕(攻撃力3210)VS(攻撃力0)〔おジャマ・トークン〕→おジャマ・トークン→消滅、トガLP2000→トガLP0

   「手加減すれば逆に礼に反すると思ったんでな、勝たせてもらった。」
   「……王国ルールじゃなくて、エキスパートルールなら…まだ決着は付いてませんよね?」
   「俺の今使ったデッキは本来のデッキではない、だからエキスパートルールではデュエル展開は全く別物になっていたはずだ。」
   「それじゃあ…お名前とご連絡先を訊いて良いですか? 今度……島じゃないところで2人で会いませんか?」
言っちゃあなんだが、よっぽどギャルゲーしてる奴とかじゃなければそこまで遠回しに言われてもデートの誘いとは分からないと思うが。
   「名前はウォンビック・ブラックマイン、電話番号や郵便番号は持っていない、グールズの連絡先は無関係な人間に教えるわけには行かない。」
   「……それじゃあ、私もグールズに入ります、それなら良いですよね?」
   「君はまだ11~13歳ほどだろう? まだ早い、止めろ。」
言い包めるウォンビック。
   「じゃあ、どうしたらまた会ってくれますか?」
   「もう会う機会は無いだろう、俺はアメリカで活動するデュエリストだが……君は中国人だろう?」
   「いえ、でも戦いたいんです。」
   「駄目だ、教えられない。」
   「いえ、でも……。」
   「ええい、無理だと……。」
そこまで聞いて、トガは違う方向で諦めた。
   「妥協じゃないでしょうが! 女の子が恥を忍んで教えてくれって言ってるんだからちゃんと答えなさいよ、この××××の駄目男ッ!」
トガがウォンビックに暴言を言ってのは後にも先にこれ一回、ありゃ?


(作者視点)
トガ5歳の誕生日、親戚一同が集った誕生パーティー。
   「この××××親戚供! 私のデッキにそんなカードは要らない!」

分娩室、トガ誕生日。
   「××××医者! 痛い! もっと優しく!」
……生まれ付きだったようです。 


目安箱バナー