【田舎のトルコ巡り】
第8話)熱狂トルコサッカー

《トルコ旅行記|エルズレム|トラブゾン|イスタンブール》

イスタンブール市電 ボスボラス海峡の鯖サンド屋
イスタンブール名物:旧市街の市電、ボスボラス海峡の鯖サンド、

トルコは日本など足元にも及ばないサッカー大国である。トルコ代表は2000年の欧州選手権(ヨーロッパの国々だけのW杯みたいな大会)でも決勝トーナメントに進出したし、イスタンブールの名門チーム・ガラタサライはなんと欧州カップで優勝しているのだ。だから人気も高い。トルコの子供たちは、黄色地に赤のサッカーボールで遊んで育つ。言うまでも無く、黄色と赤はガラタサライのチームカラーである。

トルコリーグは前述のガラタサライのほか、フェネルバフチェ、ベシクタシュというイスタンブール3チームと、トラブゾンスポールを加えた4チームが人気・実力とも高い。そして今シーズンはガラタサライとフェネルバフチェが熾烈な優勝争いを展開中だ。

トルコに行ったらぜひサッカーを見てみたいと思っていた僕。イスタンブールのツーリスト・インフォメーションでリーグ戦の情報を仕入れにいった。

 僕 :「こんにちは」
 職員:(不機嫌そうな顔で)「何の用かい。」

 僕 :「あの~、イスタンブールでサッカーの試合はありますか?」
 職員:(ちょっと目が輝きだす。)「おお、あるとも。ところで、お前はどこのファンだ。おれはガラタサライのファンだ。」

ここで他チームの名前を言うのは命知らずというものだ。

 僕 :(恐る恐る)「あぁあの、ガラタサライです。」
 職員:(とたんに上機嫌になる)「そうかそうか。良く聞け、試合はなぁ、ガラタサライvsフェネルバフチェだ。ビッグゲームだよ。」

僕は少し興奮を隠しえなかった。

イスタンブールに本拠を置く2大人気チームの激突である。しかも、優勝がかかった大一番だ。そういえばTVニュースは何日も前からこの2チームのダービーマッチ(同じ街に本拠を置くチームの対戦を、なぜかサッカーではダービーマッチと言う)のことを放映していたっけ。それを生で見られるなんて、なんという幸運。アッラーの神に感謝である。

 僕 :「試合は何時からですか?」
 職員:「試合? 試合はなぁ、あさってだよ。」
 僕 :「あ"ぁあの~、あさってですか~!!!」
 職員:「そうだよ、もうすぐさ。お前はラッキーだなぁ。」

ラッキーもくそもあるものか。

僕は翌日帰国しなければならない。なんという悲運。アッラーの神への感謝は取り消しである。

 僕 :「僕、明日出発なんですが。」
 職員:「そんな馬鹿なことをしてはいけない。試合までいなさい。」

そんなことできればとっくにしているよ! 悲しきサラリーマンは期日までに帰国しなければならぬというイスラムの戒律より厳しい鉄の掟があるのじゃ。

街のいたるところでガラタサライとフェネルバフチェの大きな団旗が掲げられていた。イスタンブールの街中が燃えている。こんな時に帰国しなければならないのは非常にくやしい。

フェネルバフチェ(左)とガラタサライ(右)のフラッグ。街中が燃えていた。
フェネルバフチェ(左)とガラタサライ(右)のフラッグ。街中が燃えていた。

しかし僕はもう帰らなくてはならない。ガラタサライの公式ショップで記念品だけ買って、後ろ髪を引かれる思いでこの街をあとにするのであった。

=FIN=


もどる < 8 > 目次へ


 - 旅の口コミ投稿でマイレージ・プレゼント
  ホテル・観光名所の口コミ投稿でJALマイル/ポイント(ANAマイル交換可)
 - オークション入札でANAマイル
  1円オークションに入札するだけで、ポイント獲得(ANAマイル交換可)






































最終更新:2012年12月02日 18:34