【タイ語でGO?-東北タイ・イサーンの旅】
第8話)追っかけファンが空港までやってきた?

《タイ旅行記|ウドンターニー|ナコンパノム|ムクダーハーン|ウボンラーチャターニー》

結局ウボンの街には3泊した。東北タイの旅も今日でおしまい。僕が泊まったウボンホテルは1泊350バーツの安ホテルだったが、カードが使えるので旅の終わりに無駄な両替をしなくて済むのは助かる。

朝一のバンコク便に乗るため飛行場へ向かう。トゥクトゥクで10分も走ると、もうウボンの飛行場に着いてしまった。ここは国内線が1日2~3本しか飛ばないのに国際空港になっている。いったい一年に何便国際線が飛ぶというのだろう。

しかし、この空港はベトナム戦争時代、米軍基地だったので滑走路は恐ろしく広大である。今ではタイ空軍の基地もかねているのだが、そんな緊張感は全然伝わってこない。それどころか空港の敷地内にはゴルフ場があって、軍人たちが打ちっぱなしの練習に余念がない。きっとタイ軍人は実弾射撃よりゴルフの腕前の方がうまいに違いない。

カウンターでチェックインを済ませた。思ったより早く着いてしまったのでかなり時間が余ってしまい、空港ロビー内をウロウロして時間をつぶす。すると売店で絵葉書を発見した。

まったく東北タイは長閑なところである。年間100万人の日本人観光客が訪れるタイだが、ここでは外国人観光客自体が珍しい。そして観光地ならどこでも売っている絵葉書が、東北タイではここでしか見つからなかった。

時間はまだ余っていた。登乗ゲートの中に入ると全て禁煙なので、ロビーで一服しておこう。僕は喫煙エリアを探した。が、何と生意気なことに空港ロビー内は全て禁煙である。昔は米軍基地だからといってアメリカの空港かいな、ここは!!

仕方なく僕は空港の外にでた。朝とはいえ熱帯の暑さは手加減を知らない。むっと暑い外のベンチに腰掛け、煙草に火を着けようとしたその瞬間、トゥクトゥクが目の前で急停車した。キッキー!! そして中からオバチャンが転げるように慌てて降りてきた。何だかとても焦っているようで、オバチャンは空港の入り口めがけて猛ダッシュ。

僕は、ふとそのオバチャンと目があってしまった。

僕に気がついたオバチャン、いきなり向きを変え、満面の笑みを浮かべながら手を振って僕めがけて走ってくる。

まっ、まさかオバチャン。僕の追っかけファン? さては男前な日本人旅行者に惚れてしまったのか。困るなオバチャン、照れるじゃないか~。

 オバチャン:「〆∥♂Å£▼ヾ仝◆∥♂Å▼ヾ仝◆!」

おいおい、おばちゃん早口でなにを言っているのかわからないってば、、、ん?

 でも、このオバチャンどこかで見たような気がするなぁ。

  誰だっけ。

   ん~ん。

    あっ!!

     泊まってたホテルの会計係のオバチャンじゃないか~!

 オバチャン:「〆▼ヾ仝∥♂Å£▼ヾ仝◆∥♂Å!」

オバチャンはメモを取り出しなにやら熱心に説明する。メモには「1050-350=700」とある。 ん?

僕は手元のホテル代を支払ったカードの控え金額を確認してみた。そには3泊分の料金1050バーツではなく、1泊分の料金の350バーツだけが記されていた。いつもはカード金額を念入りに確認する僕だが、このときはなぜかろくに確かめもせずサインしていたので、オバチャンのチョンボにま~るで気づかないでいた。

つまり、オバチャンは間違えて1泊分しか請求しなかったので、残金の700バーツを回収しに慌てて空港まで追っかけてきたという訳であった。

う~ん、残念! 一服なんかせずに、さっさと搭乗ゲートに入っていたら2泊分踏み倒せたのになぁぁ~! 

こうして、何となく700バーツ分損した気分で僕の東北タイの旅は終わったのであった。

=FIN=


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最終更新:2016年08月26日 21:59