【タイ語でGO?-東北タイ・イサーンの旅】
第1話)タイ人ゲートを突破だぁ

《タイ旅行記|ウドンターニー|ナコンパノム|ムクダーハーン|ウボンラーチャターニー》

僕は週1時間、某カルチャーセンターでタイ語を習っている。初めは半年ほどレッスンを受けて、簡単な会話ができるようになったらやめようと思っていたのだが、世の中そんなに甘くない。

タイ語はアルファベットではないから、まずあのタイ文字から覚えなければならない。日本語をまったく知らない外国人がひらがなから覚えなければならないのと同じで、まず文字を文字として識別できるようになるまでたっぷり半年かかってしまった。オマケにタイ語には声調というヤツがある。同じ発音でも声調が違うと意味がまったく異なってしまう。

タイの東大に相当するチェラーローンコーン大学で言語学を修めたP先生は「タイ語は声調が命!」ととても厳しい。そしていつも僕はダメの見本。。。

ともかくカタコトのタイ語ができるようになるのに1年半もかかってしまった。

まぁ、おかげで、やっと数字ぐらいは分かるようになってきたし、さ~て、いったい僕のタイ語はどのくらいネイティブに通じるのだろう、とちょっと試したくなってきた。

そこで僕はあまり外国語の通じない、イサーンと呼ばれるタイ東北地方に行ってみることにした。とはいえ、僕はタイ語検定で最も下の●級を落ちている。自称「●+1」級の実力、だから、不安はつきないが、まあなんとかなるだろう。

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飛行機は昼過ぎバンコクに到着予定だ。そこですぐに国内線に乗り換えてウドンターニーという田舎街まで飛ぶのだが、実はこの国内線の手配で日本で一悶着あった。

長閑なウドンターニーの昼下がり
長閑なウドンターニーの昼下がり
旅行代理店は「国内線は発券できません」と言う。「なぜ?」と理由を聞くと、「バンコク空港では接続時間が2時間以上必要です」だと。

確かに僕の予定では接続時間が1時間55分と、わずか5分たりない。「そんな杓子定規なこと言わないで」と頼み込んだところ、「では何かあっても自己責任でお願いしますね。フライトが遅れたら乗り継ぎの保証はありませんよ。い~いですね~。」

僕は少し躊躇したが、バンコクのドンムアン空港は何度か行ったことがあるし、2時間弱あれば十分乗り継げるはずだ。遅延さえなければ大丈夫だろう。バンコク行きの僕の飛行機よ、絶対遅れないでくれ~!僕は「自己責任」を受け入れ、強引に発券してもらった。


僕を乗せた飛行機は順調にバンコクに向けて飛んでいる。これなら問題なさそうだ。機内では入国カードが配られる。僕は入国カードをしゃれでタイ文字で記入してみた。名前だけであるが、あのタイ文字で記入できる自分が、なんとなく嬉しい。(そこのあなた!文字を覚えたばかりの幼稚園児のようだと笑ってはいけませんよ!)

飛行機は定刻どおりドンムアン空港に到着する、否するハズだった。しかし、機内のスクリーンで確認すると、おや? 飛行機はバンコクの上空を行ったり来たりしてるぞ。おいおい、どういうことだ。さっさと着陸してくれ。

滑走路が混んでいたのであろうか、飛行機は30分ほど空港の周りを旋回してからようやく着陸した。ヤバイ!乗り継ぎが間に合わないかもしれん。僕は一刻も早く入国したくて、慌ててゲートに向かってダッシュ。そして、とんでもない光景を目の辺りにし、呆然と立ち尽くした。

入国ゲートは欧州や中東からの外国人で長蛇の列をなしていた。

「ああ国内線に乗り継げない」僕は列の最後尾で覚悟した。時間はどんどん経っていくが、入国管理官はゆーーくり、ゆーーくりとお仕事あそばせる。急いでるんだよ、こっちは。

ふと、僕は遠くにほとんど列のないゲートを発見した。「なんだろう」と近づいてみる。

よ~く見ると「Thai Passport」と書いてある。なーんだタイ人用か。 

 ん?

  待てよ。

   そうだ!

ぼくの入国カードはタイ文字で記入されている。もっ、もしかしたら係員がタイ人と間違えて通してくれるかもしれない。よし、気持ちだけタイ人になりきってゲートに向かってみよう。

僕は恐る恐るパスポートを差し出してみた。係員の目線が怖い。ああでも何とか通して!

すると僕の願いが通じたのか、あるいは僕の美しいタイ文字の名前に係員が見とれたのか定かではないが、なぜか入国管理官はポンッとスタンプを押してくれた。助かった、これで国内線に乗り継げるゾ!

ともかくタイ人ゲートを突破して、僕のタイの旅が始まった。

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 21:46