【東チベット‐幻の僧院都市を目指せ!!】
第1話)東チベットって何?
《東チベット旅行記|成都|丹巴|甘孜|康定|アチェンガルゴンパ|》
独特の文化を持つチベットはいつか訪れてみたいと思っていたところであった。だが現在中国のチベット自治区を旅行するためには、当局の許可を必要とする。そして現地で自由に行動することは許されず、ガイドという名の監視員に絶えず見張られた旅となってしまう。
そんな窮屈な旅はまっぴらだ。
そのチベット自治区の東端は中国の四川省に接している。実は、四川省西部のあたりも甘孜藏族自治州(カンヅチベット族自治州)と呼ばれるチベット文化圏であり、四川省であれば外国人も自由に旅行ができる。そしていつしかこのエリアは旅行者の間で東チベットと呼ばれるようになっていた。
東チベット=四川省・甘孜藏族自治州(カンヅチベット族自治州)
東チベットでツーリストを魅了して止まないのが二つの宗教地区、ラルンガルゴンパ(喇栄五明仏学院)とアチェンガルゴンパ(亜青寺)である。
共にチベット寺院の周りに自然に信者が集まり、いつの間にか前者で4万人、後者でも1万人のチベット仏教徒が住み着くようになったといわれている。
ネットにアップされた写真を見ると、山岳地帯の谷間に小さく赤いチベタンの家がズラッと立ち並び、異様な美しさを放っていた。
上:画像検索-ラルンガルゴンパ 下:画像検索-アチェンガルゴンパ
ただ、ラルンガルゴンパもアチェンガルゴンパも、中国政府が公式に定めた市町村には該当しない。チベット仏教徒が勝手に名もない土地に住み着いているのであるから、中国政府にしてみればイリーガルな僧院都市が形成されているのだ。
四川省といえばパンダや料理など日本でも馴染み深く、ガイドブックにも詳しく情報が載っている。だが、中国政府への忖度であろうか、東チベットのことは殆ど記載されていない。
このような事情から、今回の旅の情報は先人達のネット発信を収集するしかなかった。そして残念なことにラルンガルゴンパの方は2016年頃から外国人立ち入り禁止となってしまった。そしてアチェンガルゴンパも規制がかかるのは時間の問題と噂が飛び交っていた。
中国政府の気が変わらないうちに行くしかない。そう思ってまずは四川省の省都・成都(チョントゥ)へと飛び立ったのであった。
最終更新:2019年05月25日 23:46