【泰緬鉄道の跡を追う? = タイ・ミャンマー陸路ノービザ国境越えの旅】
第7話)ヤンゴン環状線

《タイ・ミャンマー旅行記|カンチャナブリー|ダウェイ|モウラミャイン|ノアラボーパヤー》

「泰緬鉄道の跡を辿る」をテーマにした今回の旅であるが、これまでのところ鉄道に乗ったのは初日のタイ側一部のみ。これでは主題と実態が離れすぎだ。少しはミャンマー側の鉄分も配合しておかないと格好がつかない。そして、それを何とかするうってつけの路線がヤンゴン市内に存在した。ヤンゴン環状線である。この列車は市内と郊外を3時間程かけてぐるっと一周しており、少しだけ鉄道気分を味わうにはちょうど良い。

タイ・ミャンマー旅行記|ヤンゴン中央駅
ヤンゴン中央駅

とりあえずヤンゴン中央駅に行ってみる。すると、なんと環状線は走っていないというではないか!!

ただ、環状線は走ってないものの、郊外列車が運行しているとのこと。まあ、ちょっと乗って折り返して戻ってきてもそれなりに格好はつくだろう。とりあえず中央駅のプラットホームに降りる。ミャンマーの電車っていったいどんなんだろうと、停車している車両に近づいて見た。すると列車の行き先は、

 「多治見ー美濃太田」

と表示されていた!! えっ、この電車に乗って日本に行けるのか!!と思ったら、車体にはJRのロゴが刻まれていた。日本の中古車両が行き先表示まで日本語のままミャンマー国鉄で働いているのだ。

タイ・ミャンマー旅行記|行き先表示まで日本語のままの車両
行き先表示まで日本語のままの車両
タイ・ミャンマー旅行記|行き先表示まで日本語のままの車両

でも、日本の中古程度には快適な車両に乗れるのだと思ってホームで待っていたら、到着した郊外列車に声を失った。

 ほぼ、貨車じゃん。

貨車に無理やり窓を開け、何とか客車に仕立てたボロい車両だ。せっかく日本から列車を輸入したのになぜそれを使わずこんなボロを走らせているのだろう。

タイ・ミャンマー旅行記|何とか客車に仕立てたボロい車両
何とか客車に仕立てたボロい車両

ともかくそのボロい車両に乗り込むと列車はゆっくりと走り出した。線路の保線状態が悪いため、スピードを速くすることができない。並行する道路の車が、あっという間に列車を追い抜いて行く。

そんな列車の車内を眺めていると、禁止事項を示す標識が目に入ってきた。

 ・喫煙禁止 

 ・ポイ捨て禁止 

  そして

 ・キス禁止!!

「駐車禁止」の標識はみたことあるが、「チュー禁止」を警告する標識なんて初めて見たぞ!!!!

タイ・ミャンマー旅行記|車内禁止標識
車内禁止標識

そうこうするうち列車はとある駅に停車、対向列車との待ち合わせ調整に入る。ちょうど良い、その列車に乗り換えて中央駅に戻ろう。

ヤンゴンに戻る車両は近代的な日本の中古車両であったが、その車内を見てオイラは腰が抜けた。

タイ・ミャンマー旅行記|路上で売り出す商品の仕込みに余念がない
路上で売り出す商品の仕込みに余念がない

街中に向かう屋台食堂の一団が乗り込んでいた。おばちゃんはテイクアウト用に商品をせっせと小袋に詰めたりと、路上で売り出す商品の仕込みに余念がない。ふむふむ。ミャンマーの鉄道とは、単なる移動手段にとどまらず、開店準備をするための場でもあったのだ。

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そうこうするうち間も無くミャンマーでの日々も終わる。手元の現金をチェックしてみると、もう少しだけミャンマーチャットが必要なことがわかった。

以前は小額の米ドル札がそのまま流通していたミャンマーであるが、最近は米ドルを受け付けてくれないところが多い。仕方がないなので、10,000チャットだけATMを使って引き出した。多少手数料を取られることは覚悟していたが、明細を見て腰が抜けた。

  10,000チャット(約 ¥740) 引落額
   6,500チャット(約 ¥481) 手数料

なんと!! 手数料65%!! ありえないだろう!! 

まあ1回あたりの手数料ということなので、引き落とし額が低ければ高い率となるのは仕方がないとしても、それにしても高い!!

ともかく行き場のない怒りを覚えつつ、帰国の日を迎えたオイラであった。

(FIN)


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最終更新:2019年02月25日 23:48