【モザンビークで観光旅行?!】
第7話)危険都市マプート
《モザンビーク旅行記|マプート|カテンベ|イニャンバネ|トーフ》
7時間かけてマプートに着いた。田舎街のイニャンバネと比べると、さすがにここは首都。品はないけど高層のビルが立ち並び、大通りには車がビュンビュン走っている。
一見、先進国っぽくも見えるが、よく見ると共産圏特有の集合団地は薄汚れ、メンテナンスが出来てないことが外から眺めるだけでもよくわかる。
ここマプートは隣国南アに近いこともあって犯罪多発都市だという。例えば日本の政府機関によれば、「強盗、空き巣、車両強盗(カージャック)が常時発生…銃器を使用した押し込み強盗…」と物騒な言葉が並んでいる。
さらに、具体的な対策として次のような警告が、、、
-夜間の外出を避け、移動は必ず車を使う。
-バイーシャ地区等には絶対に立ち寄らない。
-観光気分のだらだらした一人歩きはしない。
-複数で行動するよう心がける。
これはちょっと厄介だ。何せ観光名所は「バイーシャ地区」に集中しているし、観光客の僕に「観光気分で歩くな」と言われても困る。「複数で行動しろ」に至っては一人旅の僕はどーしたらいいのサァ!!
ともかく、バイーシャ地区に泊まるのはやめ、少しハイソなニエレレ通り沿いのホテルに宿を取った。宿代は一泊1,350メティカシュ(約6,200円)とだいぶ高いが仕方ない。ここなら徒歩圏にレストランも多いから夜間の外出もなんとかなるだろう。
さて、安全対策といえば貴重品である。これをホテルのセーフティボックスに入れておけば、たとえ強盗さんに出会っても最小限の被害で済む。
僕はフロントで尋ねてみた。
「セーフティボックスはどこにありますか?」
「分かった、部屋に持っていく」
「持っていくって、何を?」
「セーフティボックスだよ。」
「え”!!」
セーフティボックスを部屋に持っていくとはどういうことだ。普通フロントか部屋に備え付けてあるんじゃないのか?
僕の常識をモザンビークは軽々と打ち破ってくれる。屈強そうな黒人従業員が「これ、めちゃくちゃ重たいんだよ」と金庫を抱えてやってきた。そして、3階の僕の部屋まで、エレベーターのないこのホテルの階段をズシリと重い金庫を抱えて昇っていった。
安全は簡単には手にはいらないようだ。
最終更新:2016年08月24日 09:32