【タナトラジャ犠牲祭+αの旅】
第10話)衝撃的フルーツの味わい方

《インドネシア旅行記|タナトラジャ|ランテパオ|マカッサル|ジョグジャカルタ》

旅の前半のタナトラジャはかなりの山奥で、観光客が訪れるようなレストランの数も限られていた。そのため「何だこりゃ!!」と思うような未知の料理に出会う機会はなかった(もっとも潰したブタをその場で串焼きにして食べる事自体は最大級の仰天事であるが、串焼きという料理そのものは極めてオーソドックスなものである)。

一方ジャワ島のジョグジャカルタは都市部だけあって、ストリートフードやB級グルメに溢れていた。

マリオボロ通りはこの街一番の目抜通りである。観光馬車が闊歩し、洒落た街灯がシックな雰囲気を演出している。が、夜になると辺りはアジアらしい一大食堂街へと変貌する。

昼間はただの歩道であった所にビニールシートが敷かれ、ちゃぶ台が並べられ、テント屋根のシートが張られると、たちまちお店が出来あがる。移動式キッチンをセットするとさあ営業開始。このような「歩道ちゃぶ台レストラン」が通りの片側をビシっと埋め尽くす様は壮観である。

インドネシア旅行記|歩道ちゃぶ台レストラン
歩道ちゃぶ台レストラン
インドネシア旅行記|歩道ちゃぶ台レストラン

香ばしい鶏の炭火焼きやら、ズラリと積まれた茹で蟹やら。このまま無視してここを過ぎ去る事などはできはしない。ワタリガニを贅沢に丸ごと一匹炒めてもらっても、6万ルピア(約¥486)と激安ハッピー。

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安くて美味しいインドネシアのストリートフードではあるが、僕もそれなりに世界を旅して来たので、なかなか未知の味覚に出会うということが難しくなってきた。それでも新しい所に行けば必ず幾つか新しい発見はあるものだ。

そして今回出会ったのは衝撃のフルーツの頂き方である。

ジョグジャカルタの王宮付近を歩いていたときのことである。カットフルーツを売っている屋台を見つけた。パパイヤ、パイナップル、マンゴー。炎天下で乾ききった体はもう条件反射で注文を出していた。

屋台の親父はカットした果物をパックに詰める。そこまでは当たり前の動作である。が、次に親父は備えてあった小ぶりの臼を取り出した。え、いったい何をするのだ!!

親父は赤くて細長い実を取り出した。って、まさかそれ唐辛子じゃん!!

それを刻んで臼の上に放り込みスリコギで磨り潰すと、さらに茶色い半固形物を投入。グチャグチャかき混ぜ怪しいトッピングソースを仕立てあげた。そして当たり前のようにその茶褐色の毒々しい汁をフルーツにたっぷり注ぎ込んだ。

そんな事をしてはせっかくの新鮮なフルーツが台無しではないかと思いつつ、恐る恐る口に運んでみる。

インドネシア旅行記|衝撃的フルーツの味わい方
衝撃的フルーツの味わい方

茶色い半固形物の正体はパームシュガーの様であった。その甘さと唐辛子のピリ辛は、南国の暑い気候に合っているようで、フルーツの甘みを引き立てつつ、体の疲れを取ってくれる感じがする。

一見怪しいと思われる食べ合わせであるが、そこにはその土地の気候に合った存在理由がしっかりとあったのだ。

こうして、まだまだ未知なる味覚があることに喜びを感じつつ、インドネシアの旅も終わりを迎えるのであった。

(FIN)




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最終更新:2018年09月04日 00:39