【伊良部 島宿物語】
第3話)マジっ!! まさかの断水

《沖縄旅行記|伊良部島|下地島|GUEST HOUSE nesou(びらふやー)》

静かな佐和田の浜の集落。その静寂を突き破って軽トラのスピーカーからは衝撃的なメッセージが告げられていた。

 「本日、断水をしております」

何、断水!! それって何時から何時までなんだ?

だがしかし断水の詳細は一切告げられない。そもそも事前の通告なしに断水なんてありえるものなのだろうか。その辺りは離島のアバウトさで許容されてしまうものか?

まあ、どうせ止まったとしても1~2時間だろうと思っていたが、自体はそう甘いものではなかった。

夕方、宿泊客は当然のごとくシャワーを浴びる。小さな宿で浴室は一つしかない。シャワー室前には利用者の順番を書き込んだリストが貼られ、使い終わった人が次の人を呼ぶ仕組みができていた。

伊良部島旅行記|GUEST HOUSE nesou(びらふやー)離れにあるシャワー室
離れにある宿のシャワー室も水の出が悪い

シャワーを使った最初の2~3人は、水がチョロチョロとしか出なく、お湯は全く出なかったという。どうやら宿は断水には至っていないが水圧が弱く温水器のセンサーが反応しないようだ。泣く泣くみんなチョロチョロの水シャワーでなんとかしのいだ。まあこういうことも離島あるあるなのだろう。

 「いや断水なんて初めてです」と宿のオーナーは否定した。

幸いなことに宿は完全断水にはなっていない。だがここから徒歩4分のオーナー自宅では全く水が出ないという。

 「水道局に電話したらやっと繋がって、職員が疲弊した声で話してました」
オーナー奥様によると、職員も原因がわからない、どこかで漏水している、でもそれがどこかわからない、とのことだった。

結局断水はその後5日続くことになるのだが、宿では幸い水が出たので助かった。しかし周りで全く水が出ない世帯が続出。

宿の近くに有名な沖縄そばの店がある。宮古島からのわざわざ車で乗り付けてくる程人気のお店なのだが、訪ねると「断水でお店が営業できない」と店主は表に出て深々と頭を下げていた。

伊良部島旅行記|断水で営業ができないお店
断水で営業ができないお店

飲食店だけでなく民宿やホテルでもお客を受け入れられないところが現れた。

GWという最大の書入れ時に客を受け入れられないとは何たる失態だ。これだけの事故なのだから当然新聞にも載るだろうと思って地元紙・M古毎日新聞を眺めてみる。が、宮古島本島から見たら辺境の地・伊良部島の断水など一行も記載がない。おいおい宮K毎日の記者諸君、君たち、ちゃんと仕事したまえ!!

結局僕がこの島を離れたころに断水の記事がレポートされた。なんでも原因はGWで観光客が多く伊良部島に集まり、水の使用量が想定以上増え、貯水池の水圧が下がってしまったためだという。

伊良部島旅行記|断水を報じる地元紙のサイト
断水を報じる地元紙のサイト

なるほど 原因は自分達旅行者にあったのか。

宮古島と橋でつながり急に旅行者が増えたと言う伊良部島は、隣接する下地島の空港がLCC専用空港として再利用される予定とあって、実は今ホテル建設などプチバブルの様相を見せている。そうした事情が水需要を引き上げたことも一因だろう。

巨大な橋を作るのも良い。空港整備をするのも良い。でもそれより前に整備すべきインフラが明らかになった。

(続く)


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最終更新:2018年05月13日 17:04