【桂林(クイリン)・陽朔(ヤンシュオ)、山と川と田んぼの旅】
第3話)漓江(リーチャン)竹筏ツアー

《中国旅行記|桂林|龍脊|陽朔|漓江》

「さあ皆さん、これからバスは埠頭に向かいますよ。そこから漓江(リーチャン)のボートツアーを楽しんで下さい。」

ガイドは英語と中国語でせわしなくこれから始まる川下りツアーの全容を説明し始めた。

桂林(クイリン)と聞いて誰もが思い浮かべるのは、山水画そのものの漓江(リーチャン)のイメージであろう。事実この川を下るツアーは桂林観光のハイライトである。

市内の至る所に川下りツアーを扱うブースがあり、僕は泊まったゲストハウスで手配してもらった。主流はここ桂林(クイリン)を起点に約70km下流の陽朔(ヤンシュオ)まで下るコースだ。

ただし桂林(クイリン)の街から直接ボートが出るのではなく、バスで40分程かかる下流の村の埠頭を出航する。そして、陽朔(ヤンシュオ)上流の村までクルーズして下船。あとは陸路を電動カートで移動し、先回りしていたバスに乗り込み陽朔(ヤンシュオ)に到着して解散となる。

桂林 陽朔 旅行記|埠頭の村までバスで移動
漓江(リーチャン)川下りツアーは埠頭の村までバスで移動

川下りツアーには幾つかオプションがあった。
  • デラックスボート…380元(¥約6,460)、ううん、これは少し高い、却下。
  • 動力付竹筏ツアー…190元(¥約3,230)、まぁ、この位かな。
と選んだ竹筏ツアーのバスの中に今オイラはいる。

「さて皆さん、シャングリラをご存知ですか、このバスは陽朔(ヤンシュオ)で皆さんを下ろすとツアー終了ですが、この後このバスはオプショナルツアーのシャングリラ行きのバスになります。」

おやおやガイド君 、ツアーの説明が終ったかと思うと、早速追加ツアーのセールスが始まった。後で調べたらシャングリラとは「世外桃源郷(シュワイ タオユエンシャン)」という桃源郷を再現した、陽朔(ヤンシュオ)から15km程離れた所にあるテーマパークだという。

 「シャングリラは、とても、とても美しいところでですよ。」

英語と中国語で、シャングリラの素晴らしさを延々と語るガイド君、なるほど筏ツアーの料金が安い訳が読めた!オプショナルツアーで儲けようという魂胆だな。何しろ埠頭まで40分間のうち、筏ツアーの説明は10分で終わり、後は延々追加ツアーのセールスを語りまくっていた。それにしてもよくしゃべる。そのトークのパワー、それはそれで見事だ。

桂林 陽朔 旅行記|楊堤(ヤンティー)埠頭
楊堤(ヤンティー)の埠頭にはおびただしい数の竹筏が

そうこうするうち、埠頭に着いた。河原に降りると、イメージ通りの山水画の世界が広がっており、岸にはおびただしい数の四人乗りの竹筏(実際は竹を模した鉄管の筏であるが、、、)が係留されていた。

ツアーの一行は、4人ずつに別れてボートに乗せられる。筏の客席は前に2席、後に2席。前方席に座れば、遮るもののない360度のパノラミックビューが楽しめる。

僕は同じ筏に割り振られた他のツアー客の顔色をうかがいつつ、小走りで筏に近づき、さっさと前方席を確保した。しめしめ。

そしていよいよ、出航。いやー、素晴らしい景色だ。絶景を満喫とは正にこのこと。後ろのお二人さん、視界の邪魔になって御免なさ~い。

が、小賢しく前の席に座ったものの、直ぐに痛いしっぺ返しを食らうことになった。

  雨である。

曇りがちだった天気はいつしか霧雨となり、出航10分後には小雨に変わっていた。たかが小雨と侮ることなかれ。進む船の前方では降ってくる雨がモロに身体を直撃する 。冷たいよ~。

桂林 陽朔 旅行記|九馬画山(チオマーフアシャン)
絶景を満喫するものの…

そして後部座席の二人の視界を遮る存在だった僕は、今やそのまま後ろ二人の雨除けと化している。ああ、寒いぞ、ブルブル~。

それに加えて後ろの二人はハネムーナーらしきカップルだから、出航の初めからイチャイチャ熱々だ。こら!! チューッとか音たててするな、バカップルめ。

オイラの寒さがますます際立つだけであった。ハックション(泣)。

(続く)


もどる < 3 > つぎへ


中国 ※最高10000ポイントですよ!


最終更新:2017年05月28日 20:00