【続・牛を巡る冒険/黒島牛祭り】
第1話)キャンセル待ち

《沖縄旅行記|八重山|黒島|牛まつり|石垣島》

沖縄・八重山諸島の黒島は、石垣島から高速船で30分のところにある。島民213人に対してその15倍の約3000頭の牛がいるこの島では、毎年2月の最終日曜日に全島あげての大イベント「牛まつり」が開催される。

黒島牛まつり2017
今年で第25回を迎える黒島牛まつり

このイベントの目玉はなんといっても牛一頭が当たる大抽選会だ。

うまくいけばオイラも和牛のオーナーになれるかもしれない!! そんな淡い夢を抱いて、イベント前日の土曜日、羽田発那覇行きの便を押さえた。黒島へは那覇からさらに石垣便に乗換えそして船に乗らなければならない。東京からたどり着くのは結構時間がかかる。

押さえることができた那覇便は羽田発8:40のフライトだが、これだと黒島着は最終の船便になってしまう。できれば6:10発の朝一の便に変更したい。

そこで前日の夜から空港のベンチで寝泊まりし、キャンセル待ちで朝一番の搭乗をもくろんだ。しかし 。。。

 「ご希望の便は満席で、お客様のキャンセル待ちの順番は13番目でございます。」

げっ!! こんなにウェイティングが居るのか。絶望的ではないか。

キャンセル待ちは航空会社の顧客ランクに応じて優先順位が決まる。最上級カーストの特上客はキャンセル番号に「S」、その次の上客には「A」、最下位カースト層には「B」の符号が与えられ、「S」→「A」→「B」の順でプライオリティがある。

空席待ち整理券
空席待ち整理券:できれば6:10発の朝一の便に変更したいだが…

オイラの番号は「B4」。Bカーストのなかで4番目、全体で13番目ということだそうだ。案の定、 6:10発の便に乗ることはかなわなかったが、6:40発の便がある。急いで次の便の搭乗口に走り、空席待ちカウンターに並ぶ。

 「番号札B1、B2、B3をお持ちのお客様。」

おっ、直前まできた。ここで終わるなよ。あと一声!!

空席待ちカウンター
空席待ちカウンター:B1からB3の客の対応に随分と時間がかかっている

しかし、B1からB3の客の対応に随分と時間がかかっている。嗚呼このまま直前OUTで終わるのかと思った矢先、

 「B4をお持ちのお客様、いらっしゃいますか~」

やった、キャンセル待ち成功、前日からベンチで寝泊まりした甲斐があったというものだ。これは少し運も付いてきたということに違いない。運気よ、この調子で高まってくれ!! 当たれ!! 夢の牛一頭!!

大いなる野望とともに東京を飛び立ったオイラであった。

(続く)


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最終更新:2017年03月03日 11:46