【海あり山ありエアコンなし-南インド・ケララの旅】
第5話)公営ボートでクルーズを
《南インド ケララ
旅行記|トリヴァンドラム|アレッピー|クミリー・テッカディ|コーチン》
南インド観光のハイライトと言えば、バックウォーターを行くクルーズである。
バックウォーターとは海岸に沿って続く湖というか川というか、沼というか、まあそういった水郷地帯のことを指すのだが、ここケララのバックウォーターの規模は半端ではない。運河で繋がった総延長は一説によれば1500kmにも及ぶという広大なものなのだ。
古くからこの地は船が輸送手段として使われており、今は伝統的な船を観光用にハウスボートとして復元し、優雅にクルーズを楽しむのが観光の目玉となっている。ハウスボートは、宿泊できる客室2~3室にダイニングを備えた「動くプライベートホテル」とでも言う豪華なもので、値段も1日6000ルビー(約¥11,400)以上が相場だという。
だが、とてもじゃないがそんな大名旅行、オイラにはできない。なんとか安くバックウォーターの眺めを楽しむ方法は無いものかと調べてみと、観光用ハウスボートの他にも地元民の足として、公営ボートがバックウォーターの要衝の街アレッピーを中心に運行していることがわかった。
僕はシークッタナードに向かう公営ボートに乗り込んだ。船は二階建てで眺めが抜群。しかも値段は往復でたったの80ルピー(約¥152)!! やっ安い!!
船着き場を出るとボートは湖にさしかかる。出港前に軽いスコールが降ったおかげで、その後晴れ上がった空には見事な虹が掛かっていた。
広大な水路にはおびただしい数のハウスボートが行き交っている。観光用のボートがこんなにあっても良いものかと思ってしまうほどだが、水辺を行きかう船の姿は壮観である。
ハウスボートが行き交い、人々の暮らしぶりをかすめていく
ボートは、水路を伝って周辺に住む庶民の暮らしぶりをかすめていく。川で洗濯をする女性、水路の背後にある畑で焚き火を焚く農民、学校から家路に向かう子供たち…
そこには、平和で穏やかな時間が、ゆっくり静かに流れていた。
最終更新:2016年08月24日 10:59