【国がまるごと博物館・キューバの旅】
第8話)人民のキューバ料理
《キューバ旅行記|ハバナ|マタンサス|トリニダー|オルギン》
「キューバ料理ってどんなだった?」と問われると結構困ってしまう。
旅の間、何を食べていたかを思い出してみる。炙った鳥や豚の肉 、サンドイッチ、パスタ、etc.
な~んだ、日本にいるときとあまり変わりが無いではないか!
そう、確かに タイ料理のトムヤムクンや、ベトナム料理の生春巻きに匹敵するような、 強烈な個性を放つキューバならではの料理と言うものには出会えていない。
これといった特長がないのが、キューバ料理の特長なのか?
いや、そんなことはない。
特長がないと感じた料理、それはことごとくウェイターが料理を提供するような店、すなわち兌換ペソ払いの、チップを払わねばならない店=外国人向けの店である。
無論、この手の店の料理が不味いと言っているのではない。ただ、外国人向けの店となると、自ずとローカル色は色褪せてしまう。
キューバならではの味を求めるのなら、人民ペソ払いの店、つまりストリートフードにトライせよということだ。
ところがである。人民ペソ払いの店は、スナック屋台やジューススタンドなどはよく見かけるものの、しっかりと料理を出す店が見つからない。一般キューバ人には外食という習慣がないのだろうか?
いったいどこにあるのだ、人民ペソ食堂
あるときハバナの旧市街をふらふらしてたら市場を見つけた。待てよ、住民が集まり参じる市場なら、近くに地元民向けの食堂があるはずだ。あたりをキョロキョロしていると、あった、あった。
メニューは、コングリと呼ばれる黒豆ご飯に肉の煮込みをかけた定食だ。小豆の香ばしさに肉汁の旨味が混じって、それでたった30人民ペソ(約¥162)とは嬉しいかぎりではないか。
地元民向けの食堂とキューバ風黒豆ご飯=アロス・コングリ[Arroz Congri]
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もうひとつキューバの庶民の味を楽しむ方法がある。民宿=カーサ・パルティクラー で用意してもらう方法だ。
が、ある種の料理は注意を要する。
キューバ初日の夜、レストランに行く気力もなくなっていた僕は、民宿のオーナーに夕食を頼んだ。すると「お待たせ 」と出てきた料理の凄まじいボリュームに腰を抜かしてしまった。
直径30センチを越える深皿にギッシリとパスタが詰まっていた。
日本人の感覚ではこのボリュームは明らかに一家族分なのだが、キューバでは違う。丸ごとが一人前なのだ。
もの凄いボリュームのパスタ料理。ただフニャッフニャッでコシがない(泣)
せっかくの家庭料理なのだが、なぜかキューバ人は柔らかいパスタが好きだ。日本人の味覚から言えば、固めのアルデンテであって欲しいのに、もうフニャッフニャッでコシが丸でない。
キューバ民宿料理の名誉のために言っておくが、パスタ以外の料理はちゃんとしていた。だがパスタだけはイケてない。
もしその日の夕食がパスタと分かったら、「アルデンテでお願いします」と言っておくのを忘れないようにしよう。
えっ、じゃスペイン語で「アルデンテでお願いします」はどう言うかって? それを知ってりゃ、今ここでくだらない忠告など書いてません! 自分でお調べなさい!
最終更新:2016年08月24日 07:55