【冬の八重山、島巡り旅】
第6話)八重山ジビエな1日

《沖縄八重山諸島旅行記|小浜島|西表島|波照間島|石垣島》

波照間島にふられ、急遽予定を変更して石垣島に戻った。石垣には以前にも来たことがあるので、どうせならその時トライしそこねたコトを試してやろう。

僕は公設市場近くにある一軒のそば屋を訪れた。そのそば屋のユニークかつ怪しげな外見からここがタダモノで無いことは、容易に推察できる。

 「今世界で話題のE福食堂、YouTube見てね」だの、
 「世界三大ガイドブックに掲載されました」だの、
 「THIS RESTAURANT IS RECOMENDED BY L○NELY PL△NET」だの、

様々な宣伝文句が日本語・英語入り混じって手書きされた外見はインパクト満点。でも、お店の実力を訴えている割に、何故か店内に客がいるのを見たことがない。とはいえ、今も元気に営業しているということは、経営が成り立つ程度にちゃんと客が入っているということでもある。

栄福食堂(トニーそば)
怪しさ満点のE福食堂

そして表に掲げた「やぎ汁」の看板も気になる。ともかく中に入ってみよう。こんちわ~。

 あれれ、人の気配がしない。

よく見ると「PLEASE RING A BELL ご用の方はベルを鳴らしてください」と張り紙があったので店員さんを呼び出し「山羊ソバ」を注文してみた。

山羊は独特の臭みがあって食べにくいと聞くが、出てきた山羊ソバはさほど臭みもなく、野趣溢れる味わいが楽しめた。これで500円なら十分合格。リーズナブルなローカルフードの店として海外のガイドブックが掲載するのもうなずける。お店の外観と違って正統派の味だ。

山羊ソバとピパーチコーヒー|栄福食堂
山羊ソバとピパーチコーヒー

が、ここで調子に乗って食後にピパーチコーヒーなるものを注文してしまった。ピパーチとは八重山地域で栽培されてる島胡椒。はたしてそのコーヒーの味は、、、、

ううん、お店の外観のようにエキセントリック!!

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昼に山羊を喰ったので、夜はもっとワイルドな八重山を味わってみたくなった。

冬、西表島ではイノシシ猟が解禁になると聞いたが石垣はどうだろう。「イノシシ 石垣」とスマホ検索してみると、何軒かの地元の店がヒットした。そのうちの一軒に連絡を入れると、今日イノシシは入荷していないという。そう簡単に手に入る食材ではないようだ。

あまり期待せず2軒目の店に入ると、壁に大きく「猪ちゃんぷるー」と張り紙が。

「この店のイノシシは西表で獲れたものですよ」とカウンター越しに若い店主が話しかけてきた。なんでも店の一家は西表島出身で、店主の親父が趣味で狩猟をやっており、冬になると西表島でイノシシを獲ってくるのだという。

イノシシちゃんぷるー 石垣 かぁらや
滋養溢れる猪ちゃんぷるー

その獲物が今オイラの前に参上しているというわけで、イノシシ料理はどこでも食べられるというシロモノではないのだ。

皮の辺りに独特の弾力を持つイノシシ肉は、滋養溢れる野生の味がした。

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八重山島巡り最後の日、波照間島に行けなかったのは残念だが、こうして今日は一日、山羊だのイノシシだの貴重な八重山ジビエを堪能できたのだ。想定外のハッビーエンドだったと解釈して旅を終えよう。


(FIN)


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最終更新:2016年08月24日 20:43