【冬の八重山、島巡り旅】
第5話)波照間の神は微笑んだ

《沖縄八重山諸島旅行記|小浜島|西表島|波照間島|石垣島》

八重山3日目、今日は西表島の大原港から波照間島に渡るつもりだった。

普段この航路をダイレクトで繋ぐ定期船は無いのだが、予め予約を入れておくと、石垣から波照間に行く船が大原港に寄ってピックアップしてもらえる。何か自分ひとりのために船をチャーターしたようにも感じられ、ちょっと気分が良いではないか。

何日も前に、このルートをネット予約したのはよいものの、「波照間便は欠航が多いから気をつけて」と沖縄好きの友人から忠告を受け、アドバイスに従って、旅立ちの何日も前から船会社のサイトで運行状況をチェックしてみた。すると、

  「本日 波照間航路 欠航あり」

と、来る日も来る日も欠航続き。12月に入ってからほぼ毎日「欠航」のお知らせばかりだ。

波照間航路欠航を告げるウェブサイト
波照間航路欠航を告げるウェブサイト

試しに「波照間 運航率 月間」などと検索してみると波照間航路の月別運航率を記録したサイトがヒットした。果たして12月の運航率は、、、

2013年08月:75.0%      2014年02月:69.0%
2013年09月:75.8%      2014年03月:76.7%
2013年10月:54.8%      2014年04月:97.5%
2013年11月:70.0%      2014年05月:91.9%
2013年12月:53.8%      2014年06月:65.8%
2014年01月:73.1%      2014年07月:67.7%

なんと、12月の運航率は驚きの50%台。二分の一の確率で欠航だ。しかもこれは片道の確率。その翌日も運航しているとなると、その確率は四分の一にまで落ちる。

そして実際旅に出てからも、波照間行きの前日まで欠航続きだった。どうせこの調子なら当日も欠航だろう。まっ、そうなったらキャンセルして石垣に戻るしかないネ。半ばあきらめかけた当日の朝、船会社に尋ねると、

 「今日は出航しますよ~♪」

と予想外の返事が。

「なんという幸運!!このまま運を天に任せ、いざ行かん波照間へ!!」とイケイケな自分と、「ちょっと待て。今日出航できたとしても、明日欠航なら予定通り東京に帰ってこれなくなるぞ」と慎重な自分の二人が、しばし己の頭のなかでそれぞれの主張をぶつけあう。

せっかく動いた船なのだから乗ってしまいたいという強い衝動は魅惑的であった。だが悲しいかなサラリーマン。翌日の朝一番の船で波照間から石垣に戻りそのまま東京に戻るプランを組んでいたが、予定どおり帰れず会社を欠勤となる訳には行かぬ。残念だがここは無難な選択をし、今日は石垣に戻ることにした。

仲間川マングローブクルーズ
石垣行きの船が出るまでの間、サクッと仲間川のマングローブクルーズに参加

しかし、結果論を後から言うと、実は翌日も波照間航路は運航していた。そして翌々日からまた暫く欠航が続いたのであった。すなわち、12月の中旬、波照間航路は元々僕が利用しようとした日のみ、行きも帰りも運航していたということだ。

波照間島の神はオイラに微笑んでくれていたのだ。何と強い運の元に生まれていたのだ! だがしかしその強い運を全然リアルに活かせていない。それはまるでチャンスを全くモノにできないオイラの人生を象徴するかのようであった(泣)。


(続く)


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最終更新:2016年08月24日 20:42