【2時間で行ける欧州・極東ロシアの旅】
第8話)で、結局ロシアで自由旅行はできるのか?

《シベリア・サハリン旅行記||ロシア 個人旅行 ビザ取得》

ところで、僕はなぜ今年の夏、極東ロシアに行ってみようと思ったのか。そのきっかけは随分といい加減なものだった。某N本航空が、提携のシベリア航空を対象にディスカウントマイルキャンペーンを行ったのだ。そしてそのディスカウントぶりが破格の条件だった。

通常2.1万マイルのポイントが必要な極東ロシアへの特典航空券が、わずか1.2万マイルで発券できるというのだ。1.2万マイルって沖縄行くより少ないじゃん!! しかもハイシーズン真っ盛りのお盆でもOKという太っ腹である。

こんな好条件だから予約は困難かなと思いつつ、春先に問合せたら意外にあっさり取れてしまった。しかも、カラフト立ち寄りの国内線まで付けて。

極東ロシア・サハリン旅行記|コルサコフの街並み
サハリン・コルサコフの街並み―カラフトまで足を伸ばすことが出来た

で、航空券はOK、続いて宿も一泊2千円のゲストハウスを中心に予約サイトからブッキングを済ませた。

と、ここまでは良かった。じぁ、後はビザを手配すればいいのだなと呑気に構えていた。だが、調べていくと、ロシアのビザ取得はそんなに簡単には行かないらしいことが分かった。

 ゲッ、手配した航空券と宿がムダになるのか!!

ロシアビザ申請には、前もって「バウチャー」とかいう書類を現地旅行会社に発行してもらい、その「バウチャー」を添えて申請する必要があった。また「バウチャー」は、交通手段と宿泊の予約が済んだことの証明書らしいのだが、ガイドブックを読み込んでみると、手続きがややこしいので現地の旅行会社と提携している日本の旅行会社に頼めと、明言はしていないものの、そう暗示していた。

しかし、それだと1万円くらい余計なコストがかさむ。それに日本の旅行会社を通すと、最低限ロシア滞在中のホテル予約を頼まなければならないようなのだが、僕が泊まるような一泊2千円程度のゲストハウスを手配してくれるとは到底思えない。

なにか上手い方法はないだろうか、とネット検索してみる。すると、現地旅行会社から直接「バウチャー」を発行してもらいビザ申請した個人のブログがヒットした。

  よし、ともかくそこに書いてあったことをマネしてみよう!!  
  何かトラブルが起きたら、そのときまた対処すればよい!!

で、やるべきことはこうだった。

まずバウチャー発行を請け負うロシアの旅行会社のサイトに、宿の名称・滞在都市名を自分で打ち込む(因みに、今回僕は Alliance Travel社 の TravelRussia.su というサイトを使った)。そして2000円弱の手数料をオンラインで支払うと、これだけであっという間に「バウチャー」のPDFデータが作成された。旅行会社の責任者のサインも勝手に自動生成されている。

  で、これを出力して申請すればいいのか?

  いや待て「バウチャー」とは旅行会社が交通や宿泊の予約手配を行った証明書のはずだ。

でも、このロシアの旅行会社は何の手配もしてないゾ!!  飛行機や宿を手配したのは、旅行会社でなくオイラ自身じゃないか。こんなほぼ自己申告な証明書で問題ないのか、ロシアのビザ担当!!

 「問題ナイデス、2シュウカンゴニ、キテクダサイ」

東京・神谷町にあるロシア大使館の若い職員は流暢な日本語で応対した。2週間後のビザ受取りなら発給手数料も無料だ。

で、2週間後大使館に出向くと、極めて事務的にビザが手渡された。そして、そのビザは今回の旅に全くノープロブレムで使えた。

 なんだ意外にロシアのビザって簡単に取れるじゃん、

というのが率直な感想だ。だが、ズルイと思う。予約をしていない旅行会社が予約証明である「バウチャー」を発行し、手数料を取る。仕事をしないでお金が入ってくるとは、何と甘い汁なんだ!!

極東ロシア・サハリン旅行記|ウラジオストクの安宿
ウラジオストクの安宿―予約は自分で手配した。

と、ウラジオストクを発った帰国便の機内で回想しているうち、あっという間に成田に到着。ああ、明日から会社だぁ。仕事をせずお金が入る甘~い汁、あったらオイラもチューチュー吸いたい!!


(FIN)


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最終更新:2016年08月24日 08:54