【2時間で行ける欧州・極東ロシアの旅】
第6話)ロシア料理との戦い

《シベリア・サハリン旅行記||ウラジオストク|ハバロフスク|ユジノサハリンスク》

ロシア料理ってどんな料理なのと問われたら、僕の答えは「機内食」だ。

サラダにちょっとしたオードブル系の前菜、そして煮込み系のメイン料理の組み合わせ。これってやはり「機内食」でしょ。

じゃ実際、今回の旅の間どんなモノを食べてたのかというと、結果として似たような「機内食」系ばかり食べていた。

なぜそうなったのか? その理由はメニューである。ほとんどの店がロシア語メニューしか置いていない!! 読めません!! だいたいロシア語のキリル文字とは何なのだ。ローマ字のようでいてローマ字でなく、読めそうで読めず、何ともいらだたしい。

それでも何日か滞在していると、キリル文字の癖というものが判ってくる。例えば、Р→R(英)、С→S(英)、Н→N(英)、と置き換えればいいのだと。

とは言っても、いきなり、

 РЕСТОРАН

と書かれてあっても、こりゃいったい何だ?となってしまう。「РЕСТОРАН」が「レストラン(RESTORAN)」と書かれているのだと認識に至るまでには、恐竜並みにスローな反射時間を必要とした。ましてやメニューのロシア語なんてオイラにゃ絶対解析不能だ。

極東ロシア・サハリン旅行記|РЕСТОРАНはレストラン(RESTORAN)、読めるか!!
РЕСТОРАНはレストラン(RESTORAN)、読めるか!!

だからといって泣かなくても良い。そんなロシア語音痴にやさしいのがカフェテリア食堂だ。サラダ・前菜・メインにデザート。目の前にある料理を確かめてトレイに乗せて、レジで清算するだけ。コトバがいらないので注文が楽ちんだ。ロシアにはこの手の食堂が多く、しかも値段が安い。200~300ルーブル(約600~900円)も払えば結構お腹も満足。というわけで、ほぼ毎日カフェテリア食堂のお世話になってしまった。

でもトレイに載せた料理を眺めると、毎度毎度「あっ、やはり機内食だなぁ」といった組み合わせになってしまうのが悲しい。

極東ロシア・サハリン旅行記|カフェテリア食堂
カフェテリア食堂

さて、こういったカフェテリア食堂はお値段もリーズナブルなのだが、気をつけたいのがコーヒーである。食事は安いのに調子に乗ってレギュラーコーヒーなど頼むと、それだけで100ルーブル(約300円)ぐらい平気でかかってしまう。先進国のスタバ並みの高さだ。

何ゆえコーヒーがそんなに高いのかは知らぬが、そのうちこの高価な出費を回避するコツがわかってきた。コーヒーは高いが紅茶は安い。一杯10ルーブル(約30円)程度。これなら食後に気軽に飲めるのだが、当然その紅茶はティーバック。あれっ、やっぱり機内食に似てくるなぁ。

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とはいえ、時には機内食じゃない料理も試してみた。

ウラジオストクで店舗の外壁がアニメで埋め尽くされた寿司レストランを発見。さてこの寿司レストラン、どんな料理を出すのだろう。好奇心に負けて、中に入ってしまった。

昼時、店はOLさんでいっぱいだった。和食はヘルシーというイメージがここロシアでも定着してるようだ。

メニューを見ると握りズシは一貫70ルーブル(約210円)以上もする。そんな高いのはパスして、200ルーブル(約600円)のランチ定食を頼む。

すると出てきたのは巻きズシとタレのかかったウドンのセット。不思議なミソ味のスープ付きだ。ミソ汁をイメージしたのだろうけど、「ミソ味のスープ」としか表現できない不可解な味わいだ。それにウドンにかかったこのタレの変な甘さは何だ! こんな味付けを和食と呼んで良いのか??

極東ロシア・サハリン旅行記|ウラジオストクの寿司レストラン
ウラジオストクの寿司レストラン

そして極めつけは巻きズシ、その巻きズシの具だ。なぜシイタケときゅうりと一緒に巻き込まれているのだ、クリームチーズが!!

今や世界遺産となった和食であるが、地元経営者が己の想像力で創造してしまった'和食'ほどぶっ飛んだ味はない。

そしてウラジオの寿司というロシアンルーレットの引き金を引いてしまった僕、ものの見事に当たってしまったようだ、トホホ~。

(続く)


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最終更新:2016年08月24日 08:51