【日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅】
第4話)道の駅かでな で考えた

《沖縄本島中部西海岸旅行記|読谷|嘉手納|北谷|那覇》

話が前後するが、都屋漁港に向かう前に"道の駅かでな"を訪れた。この道の駅、展望テラスから米軍の嘉手納基地が一望できると、戦闘機マニアの間で密かな人気なのだという。

日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|道の駅かでな―展望デッキから米軍基地をスパイできる
道の駅かでな―展望デッキから米軍基地をスパイできる

行ってみて改めて驚くのは、高価な望遠カメラを構えるマニアの多くに、中国人が目立つことだ。

観光バスで団体客がやって来ると4階の展望デッキに向かう小さなエレベーターは人民であっという間に行列が出来てしまう。

そもそも共産主義の脅威に対抗するために設けられた基地なのに、その共産国からの観光客に無防備に内部をさらけ出してしまっていいのか疑問だ。加えてこの道の駅、防衛省の補助金が投入されているというから、なんだか話がややこしい。


「こっちに展示室があります。」とT屋さん。そこには嘉手納町の83%を基地が占めていると記されていた。2万とも3万とも言われる軍人が沖縄全土に配属されているのだ。無論基地のない沖縄を願っての展示ではあるが、この道の駅に客が集まり繁盛しているのは、まさにその基地のお陰でもある。それに人口140万人の沖縄で、基地人口3万人が地元に落とす経済効果は小さくは無い。

単純に基地反対と言えない事情が開幕見える。

日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|展示室では、町の83%が基地に占拠されていることをアビール
展示室では、町の83%が基地に占拠されていることをアビール

「うちの宿は外国人客が多いのですが、親父が米軍基地でエンジニアもしていて、英語ができるんです。で、この道の駅の手前に駐留軍労務管理機構があるでしょ。あれって要するに基地での仕事を斡旋する職安みたいな所です。」

駐留軍労務管理機構(正確には独立行政法人 駐留軍等労働者労務管理機構)なんて初めて聞いたぞ。なんでも防衛省がらみの外郭団体なのだとか。仕事の斡旋だったらハローワークに任せりゃいいのに、余計な天下り先をこしらえやがったな、役人どもめ!

日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|駐留軍等労働者労務管理機構―これが米軍のハロワだ
駐留軍等労働者労務管理機構―これが米軍のハロワだ

 「基地の中に畑があるの見えますか。」

 「ホントだ。誰が管理してるのですか?」

 「黙認耕作地と言って、地元民が耕しています。」

な、なんだそれ。まあ、元々地元の人の土地だから有るべき姿ではあるが、基地内で耕作しているのが黙認されているなんて、何がどうなっているかもう分からない。


 「基地内の土地も売買されていますよ。」

僕は宿で見た地元紙の不動産広告欄を思い出しながら聞いて見た。

 「それって地権者どうしでバーチャルに土地の権利だけ取引してるということ?」

 「そうです。土地成金、基地成金っているんです。彼らは基地返還に反対してます。」

そりゃそうだろう、黙っていても莫大な基地使用料が入ってくりゃ。


47都道府県の中で、失業率、県民所得とも断トツでワーストワンの沖縄県。なのに何故か高額納税者の数は多いと言う。そのカラクリがこの基地にあることを実感できる"道の駅かでな"の訪問であった。

(続く)


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最終更新:2016年08月24日 20:26