【日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅】
第3話)漁業体験の収穫?

《沖縄本島中部西海岸旅行記|読谷|嘉手納|北谷|那覇》

プルルル、プルルル。昼休みにさしかかったころ携帯に着信があった。098-XXXX-XXXX。ううん、098-? 見に覚えのない番号だ。とりたてて借金をした覚えもないが、不審な電話に身構えつつ恐る恐るスマホの着信アイコンをスライドさせる。

 「今度の週末は海が荒れるから、船がキャンセルになるかもしれんよ。」

恐ろしく聞き取りにくい日本語を翻訳すると、そういうことだった。

電話の主は、読谷村で漁業体験を提供している海人倶楽部の現役漁師から。今回の旅に先立ち、僕は海人倶楽部を通じて予約を入れておいたのだ。漁師の船に乗って沖縄の伝統漁法を見学できるということで楽しみにしていたのだが、天気ばかりは人の力ではどうにもならない。

ともかく現地に着いたら前日に再確認ということで電話を切ったのだが、実際読谷に入ると小雨混じりの曇天。海は荒れているとのことで、漁業体験はキャンセルとなってしまった。

読谷2日目の午前中はこのアトラクションで楽しもうと思っていたのに、時間が空いてしまった。どうしよう。すると、同じ宿に泊まっていたK村さんが声をかけてくれた。

 「その辺りをレンタカーで回ろうと思うのですが、一緒にどうですか」

日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|座喜味城、やちむんの里、自転車で回れるスポットは既に巡ってしまった
座喜味城、やちむんの里、自転車で回れるスポットは既に巡ってしまった


これは有り難い。自転車で回れる範囲のスポットは既に昨日あらかた巡ってしまったので.車があれば少し離れた場所にもわけなくたどり着ける。

しかもこのK村さん、年に何回も沖縄に来ている強者で、宿の人も知らない読谷のお店情報に詳しい。今回のドライブもK村さんの案内で僕と宿のT屋さんも乗り込んでのプチツアーとなった。

"残波岬"や"道の駅かでな"などを廻りつつ、一ヶ所だけ僕のワガママで都屋漁港に寄ってもらった。


その漁港には直営の売店があり、いわゆる沖縄の天ぷら(本土で言えば天ぷらというよりフリッター)が一個僅か60円で食べられるというのだ。

 「あっ、あれが売店ですね。」

 「おや、ランチもやってる様ですよ」

 「じゃ昼飯にしちゃいますか。」

日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|都屋漁港の海人食堂
都屋漁港の海人食堂"いゆの店"で海の幸を堪能

店の中では取れたて鮮魚がテキパキとさばかれ、いやがうえにも食欲をそそる。漁港のフレッシュな魚が不味い分けがない。これ以上新鮮な魚を望むなら、後はもう漁船に乗って漁場で食うしか無いだろう。

むむむ、ところでこの売店に張ってある新聞の切り抜き記事は何だ!!

観光漁船のデビューを報じる沖縄タイムズの切り抜き記事
日本一の村?を行く 沖縄・読谷/北谷ぶらり旅|観光漁船のデビューを報じる沖縄タイムズの切り抜き記事

 "観光できる漁船デビュー、読谷漁協「学習活用に」"

と沖縄タイムズは24人乗りの漁船で漁業体験ができるようになったことを報じていた。

こちらでも体験できたのか!! そして聞いてみると今朝7時に体験船は出航したとのこと。海人倶楽部の小型船ではNGな波でも、24人乗りの船なら問題ないということか。

それにしても、今日の海はそれほど荒れているようにも思えない。

 「客が一人だと燃料代も安くないからキャンセルにしちゃったんじゃないの」

それもありうる話だ。確かなことは分からないが、海人倶楽部にせよ、読谷漁協にせよ、何れにしても沖縄漁業体験は空振りに終わってしまった。

 「またリベンジしにウチの宿に来てください」

と民宿のT屋さん。まあ良い、これで次に沖縄を訪れる口実が一つできたと言うことだ。それが今回の収穫だったと前向きにとらえることにしよう。

(続く)


もどる < 3 > つぎへ



※最高10000ポイントですよ!


最終更新:2016年08月24日 20:25