沖縄本島より台湾の方が近い与那国島。かつては密貿易で栄え今はカジキ漁の盛んなこの孤島で、旅の最後に神のお告げ?を聞くことになるとは…||与那国島旅行記|久部良|祖納|比川|那覇||
【神のお告げを聞け-与那国島旅行記】
第6話)祖納(そない)集落の探検
||与那国島|自衛隊|久部良|祖納|比川||
久部良(くぶら)を後にし、島最大の集落・祖納(そない)に移動する。ま、最大といっても目抜き通り(?)の役場前ですら閑散としたものなのだが。。。
そんな集落なので、石垣や宮古のように飲食店がしのぎを削るというわけがなく、食事処は限られている。普段は素泊まり派の僕も、ここでは食事が美味しいと評判の民宿に宿を取ってみた。
「こちらの用紙にご記入ださい」
と渡された宿泊記録には「旅の目的」なる項目があり、「ダイビング」とか「釣り」とか「野鳥」や「蝶」なんて項目まである。この島にはスペシャルな何かを求める旅行者しか訪れないのだろうか?
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相変わらず今日もどんよりとした小雨交じりだ。カラっと抜けるような青空を期待していただけに残念でならないが、例によって百円ショップのポンチョを羽織い、いざ祖納(そない)集落の探検に出発だ。
集落にはところどころに赤瓦の古民家が残り、風情がある。島の特産品・長命草のメロンパンでプチ有名なベーカリーに寄ってみた。小さな店は先客で満員だったが、例のパンは「売り切れです」。 ううん、もっと作っておいてよぉ。
続いて伝統工芸館を訪れる。名前からしてさぞかし由緒正しい建物なのだろうと想像していたが、地図であるべきところに佇んでいたのは古ぼけた公民館? 否、それが伝統工芸館であった。本日唯一の入館者である僕ひとりに対し職員3名が「いらっしゃいませ~」。
また、祖納(そない)の餅屋で伝統の「クバ餅」作りが体験できるというので電話してみたら、
「ごめんなさい。体験は3名から受付なのよ。 今、昼で忙しいので失礼いたしますね。」
えっ 昼で忙しい!! これはどう考えても昼時に仕事で忙しいのでなく、昼ごはんの準備で忙しいとしか解釈できない。
「ランチやってます」と窓に大きく張り紙したレストランに行くと「準備中」の札が扉にぶら下がってたり、「与那国民族資料館」とされた民家に行ってみると「当分の間休館いたします」の紙が窓に張られていたり。
なんか、みんなマイペースだなぁ。
ま、この島にガツガツしたやる気スイッチモードは似合わない。このゆったりとした時の流れを愉しむ、こけこそが与那国最大の魅力じゃないか。
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そんな寝静まった祖納(そない)集落で、嫌でも目に飛び込んでくるのが標語看板だ。今島の世論は自衛隊の受け入れで二分しているようだ。
「自衛隊誘致断固反対」だの「自衛隊誘致は悲願です」だのといった賛成/反対の呼びかけなら本土の人間でもわかる。しかし、いったいこのスローガンは何だ!!
「ハイヌムヤ ブールヌグラヌンキ ウヤシワリヨー」
「バンダ ドゥナンチマ カティラリヌン!!」
こんな日本語あっていいのか!!
まったく、与那国人の言語中枢をつかさどる脳みそは、どんなシワを刻んでいるのだろう?
最終更新:2016年08月24日 20:01