沖縄本島より台湾の方が近い与那国島。かつては密貿易で栄え今はカジキ漁の盛んなこの孤島で、旅の最後に神のお告げ?を聞くことになるとは…||与那国島旅行記|久部良|祖納|比川|那覇||

【神のお告げを聞け-与那国島旅行記】
第3話)子供の教育費158万円?

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那覇からの小さなプロペラ機は日本最西端の与那国島に向かっていた。機内で配られた、RAC(琉球エアコミューター)乗務員手作りのパンフレット・SiMaP(シマップ)によると、石垣や宮古には5万人近く住民がいるのに、与那国にはたった1,580人しかいない。

飛行機が飛んでるくらいだからもっと人がいるのかと思っていたが、随分と少ないことに驚く。こんな僻地にヒコーキ飛ばして、経営は大丈夫なのか、RAC!!

与那国島旅行記|RAC職員手作りパンフSiMaP(シマップ)-タイトルで某芸能事務所から文句言われないか?
RAC職員手作りパンフSiMaP(シマップ)-タイトルで某芸能事務所から文句言われないか?

与那国空港に着くと、ちっぽけなターンテーブルに荷物が流れてくる。そのコンベアの中にしつらえた発砲スチロール製の島の模型が微笑ましい。

与那国島旅行記|スチロール製の島模型、コンベアの流れは黒潮を表している?
スチロール製の島模型、コンベアの流れは黒潮を表している?

空港には予約した久部良(くぶら)の民宿Yの人が迎えに来ていたが、実はこの予約が曲者であった。与那国には、役場のある祖納(そない)と島最西端の久部良に集落がある。まずはこの最西端の集落から攻めてみようと思い久部良の民宿をネットで物色してみた。

評判のよさそうな民宿Mは既に満室表示されていたので、民宿Tを予約サイトからブッキング。すると民宿Tのオバちゃんから電話がかかってきた。

  「御免なさい、とうちゃんが満室なのにネットの更新忘れたままだったたの」

ありゃりゃ。これが本土のホテルだったら怒り心頭ものだが、沖縄のほんわかした離島からの電話だと何故か許せてしまう。

なので、今度は予約サイトに載っていない民宿Hにメールを送ってみたが、一向に受け付けた旨の返信がない。念のためと思い民宿Hに電話してみると

  「ああ、メール見てなかった。御免なさい、満室なのよぉ」

うわわ、与那国って意外と宿の予約が難しい、というか、ネットやメールが全然当てにならない。

というわけでやっと民宿Yに電話して予約が取れた。

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空港ロビーで民宿Yのおじさんと落ち合い、軽自動車のバンで宿へと向かう。与那国は小さな島ながら、与那国岳、久部良岳といった頂を持つ山の緑が濃い島でもある。石垣や宮古よりもワイルド感が数段高い。

与那国島旅行記|ワイルドな与那国の地形
ワイルドな与那国の地形

  「与那国は初めてかい?」と民宿Yのおじさんが声をかける。

「与那国には信号機は二つしかないんだよ。祖納(そない)と久部良(くぶら)に一つずつ。ほんとは祖納だけだったんだが、島の子供たちが外に出たときに困らないようにと久部良にも作らせたさ。一機6,000万円もしたけどね。うちの宿はその信号機の目の前さ。わっはっはっ」


時間がマッタリと止まったこの島で信号機が必要だとは思えない。だが日本一西にある信号機は教育用として設置された。ちなみに久部良小学校の児童数は38人。つまり子供ひとりあたり158万円の教材というわけだ。ある意味日本で一番教育熱心な集落はここ久部良なのかも知れない。

与那国島旅行記|日本一西にある信号機は教育用
日本一西にある信号機は教育用

そんな大切で神聖な教育用信号機であるが、この信号の前の民宿に泊まった僕は、車が全く来ないことをいいことに、その後何度もこの信号を無視して渡るという不道徳な暴挙を犯しまくってしまった。

ホントはこの信号機、子供のためにあるのでなく、交通ルールを守る忍耐力を大人に付けさせるためのモノなのかも知れない。

(続く)


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最終更新:2016年08月24日 19:55