沖縄本島より台湾の方が近い与那国島。かつては密貿易で栄え今はカジキ漁の盛んなこの孤島で、旅の最後に神のお告げ?を聞くことになるとは…||与那国島旅行記|久部良|祖納|比川|那覇||
【神のお告げを聞け-与那国島旅行記】
第2話)観光客マインド丸出しの公設市場
||与那国島旅行記|久部良|祖納|比川|那覇||
那覇のモノレールに乗っていると、南国の高架鉄道という共通点のせいだろうか、バンコクのスカイトレインに乗ってる気がしてくる。
しかしそれ以上にアジア感満点なのが公設市場である。初めて訪れる那覇で、どうしても行ってみたかったのが牧志公設市場。そしてそこでやってみたいことがあった。市場の1階で新鮮な食材を買い込み、2階の食堂で調理してもらい、食べること。
なんともベタな観光客マインド丸出しの望みではあるが、やってみたいのだから仕方ない。
しかし、この願いには少々問題があった。でかい魚を一匹買って持ち込んだとしても、とても一人では食べきれない。できれば誰かとシェアしたい。あっ、そうだ、友人のMさんとKさんが春の連休に沖縄を訪れると言ってたではないか!!
そこで2人にメールを送ってみた。すると「沖縄に行ったのは先月ですよ~」と返信が。
いかんいかん、すっかり公設市場の宴に舞い上がって、勝手に人のスケジュールを自分の都合に合わせて記憶していた。だらしないぞ<こら。
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ともかく何が起こるかは行ってみなけりゃ判らない。僕はワクワクしながら市場へと向かって行った。
わっ、何だ、この市場は。
細い路地に何軒も店が連なり、賑やか賑やか。観光客向けの店に混じって、手作りの草もちを売る店やら、豚の顔の皮を売る肉屋やら、まるでバンコクの市場にいるみたい、楽しい!
あっ、魚屋だ。なんか熱帯魚みたいなのを売ってるぞ。なんだろう、この魚は、などとはしゃいでいると、
「2階で食べられるよ」
と声がかかった。
「でも一人だしなぁ」
「だったらこれなんかどう? グルクン」
おお、このサイズなら一人でも十分だ。
「じゃ、それください」
「よっしゃ、2階の食堂に電話しとくよ。はい700円」
えっ700円!! グルクンってのは沖縄の県民魚と聞いているゾ。本土でいえばアジとかサバとかレベルだろう。その魚が失礼ながら平均県民所得ワーストワンの沖縄で700円もするなんて高すぎないか!!
「食堂には連絡ついたから、これもってってね。はい毎度ありぃ」
しかしもう時すでに遅かった。そもそも魚に値札がついていない時点で慎重になるべきだったのだ。沖縄、ここはアジアと同じ、買い物に気を抜いてはいけない。
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2階の食堂でグルクン君は見事な唐揚げとなって現れた。調理代300円にご飯とスープのセット200円をつけ、魚代700円と合わせて、しめて合計1200円也。まあ少し割高の定食となったが、揚げたてのグルクン君は美味いではないか。憧れの市場買い出し飯が実現したのだから、多少の出費などくよくよするでない。
〆て1,200円となってしまったグルクン唐揚げ定食
とひとしきり市場メシを堪能したところで、僕は見てはいけないものを見てしまった。食堂の壁にびっしり貼られた料理のメニュー札。その中に衝撃の一枚が!!
「グルクン唐揚げ定食800円」
ガーン、こんなメニューがあるなら、なにも1階で魚を買ってくることなかった。くよくよするなと誓ったばかりなのに、くよくよしちゃうよ(泣)。
でももう一度気持ちを切り替えよう。今晩の宿はゲストハウスの相部屋だ。これで十分節約になってるではないか。
僕は一泊たった1000円の安宿の有難みをかみしめた。
最終更新:2016年08月24日 19:53