【台湾の中心で、暑いと叫ぶ―南投県の夏旅】
第8話)旅のスマホの使い方
||台湾|彰化|埔里|の旅行記||
「メシでも食べにいきませんか」とゲストハウスのオーナーに誘われ、埔里(プーリー)の第三市場にある夜市に繰り出した。
オーナーは流暢な中国語で屋台の親父に注文を入れる。ショーケースに並んだ食材が中華鍋ひとつで見事な料理に次々と早変わり。今日はコトバの達人が身近にいるから、オーダーするのも楽チンこの上ない。
第三市場の賑わい(上段) 使用前(中段) 使用後(下段)
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だが、地元民を相手に商売している屋台で、僕がひとりで注文するのは実は難度が高い。
屋台店はたいていメニューを看板に漢字で書いている。なのでどんな料理がその店にあるのかは容易に想像できる。しかしいざ注文となると中国語を満足に発音できない僕には、書いてある看板の文字が言葉にできない。
せめて手持ちのメニューが用意されてれば「これください」と指させるのだが、そんなチェーン店のような気の利いたシロモノが屋台にあるわけない。かと言っていつも都合よく中国語の話せる人が身近にいるわけでもないので、お店の人との意思疎通に四苦八苦するのがこれまでの中国語圏の旅であった。
しかし今回の旅で、僕はノーベル賞もののスゴ技を発見した。
スマホである。
スマホのカメラで看板を撮影。撮った画像を再生し、二本の指でスクリーンを押し広げ拡大する(ピンチアウト)。そして、欲しいメニューの部分を指させばほぼ百発百中で注文が通る!!
①看板を撮影 ②撮った画像を拡大しメニューを指差す ③いただきます
「香菇燴飯」だの「清心紅茶」だの、いったい何と発音してよいのか分からぬメニューも問題没用(メイヨー)だ。
嗚呼、スマホがこの世にあってよかった~!!
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しかしスマホを旅に持って行くことは、いいことばかりとは限らない。
旅の最終日、ふと自分のスマホを覘いて見る。あれれ、着信通知だ!! 海外通話は料金がかさむので通話できない設定にしておいたのだが、着信通知だけは届いてしまうらしい。休暇中に誰だろうと思って確認してみると、恐れていた会社からだった。
ううん、このまま無視してしまいたいと思いつつ、休暇中に連絡とは急件に違いない。仕方なくWiFiスポットからメールを会社に入れると、翌朝からとりかかる仕事の指令が返信されてしまった!!
せっかくの休暇の最終日だったのに、バカンス気分は一挙に失せていった。
嗚呼、スマホなんてこの世に無ければよかったのに~!!
最終更新:2016年08月27日 00:24