【台湾の中心で、暑いと叫ぶ―南投県の夏旅】
第7話)台湾スイーツの甘いワナ
||台湾|彰化|埔里|の旅行記||
南国台湾はフルーツ大国。街角の果物屋には色鮮やかなトロピカルフルーツが豊富に並んでいる。「牛乳大王」と看板を掲げたフルーツシェイクの店も多く見かけるのは、採れたての新鮮な果物が豊富に手に入るからであろう。
暑い台湾ではかき氷屋も欠かせない。甘く煮た豆や芋・寒天・白玉などの様々な具材を大皿に盛り、その上にガッガッーと豪快に氷をぶっかける。そこに風味豊かな黒糖の蜜がかけられて、それでたったの35元(約100円)なのだから嬉しい限りだ。
氷の攻撃的な冷たさに疲れたら「豆花(トゥファ)」の穏やかな涼を楽しめばよい。シロップに浸かった豆腐のやさしい甘みが爽やかだ。
とまあ、夏の台湾旅では冷たいものをついつい多く摂り過ぎてしまう。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
そんなスイーツ天国・台湾で不思議なアイスクリームに出会った。
夜、ゲストハウス近くのある店に入ってメニューを見る。オール中国語なので、なんとなく意味はわかるが、その実態が何なのかは見当がつかない。こういうときはある種ギャンブルを楽しむ気分で注文してみるに限る。それも旅の醍醐味だ。
オール中国語のメニューは、分かるようで分からない。
僕は「布丁芝麻雪花氷(←なんて読むのだ??)」なるものをオーダーしてみた。一体何が入っているんだろう。青汁みたいな変な味だったら嫌だなぁ、などと下らぬ想像を楽しんでいるうち「はい、どうぞ」と山もりの紫色のアイスクリームの塊が供された。
その表面を良く見ると、植物の繊維状に糸束のようなテクスチャーをしている。「布丁芝麻雪花氷」の「芝麻」はここからきているのか。
そして、そっと匙ですくって口に運ぶと、不思議な繊維質の食感が口の中に広がる。一体どうやってこんな形状を作り上げるのだろう。ともかく冷たいデザートに対する台湾人の探究心がこの味覚を作り上げたことだけは事実だ。
さらにこのアイスには黄色い不思議なトッピングがかかっているのだが、その正体は何とプリン!! オイラの想像力のはるか先を行くシュールな味覚を発明してしまう台湾人、恐るべし。
ともかく、なんとかその山盛りのエキセントリックなスイーツを平らげ終えたときである。閉店間際の最後の客だったせいであろうか「おまけです」とばかりに白玉のシロップ付けがサービスされてしまった。
おまけの白玉シロップ付け、カロリー・糖分摂り過ぎ!!
せっかくのお店の好意を無駄にするわけにはいかない。また食べてみるとこれまた美味なので残さずいただいてしまう。
そんなこんなで、台湾ではついつい甘いものの摂取量が上がってしまう。
スイーツの甘いワナにはまるのもまた、台湾の旅の醍醐味か。
最終更新:2016年08月27日 00:23