【海鮮王国・済州を行く】
第7話)VIP待遇
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済州島はまったく海鮮天国であった。具だくさんのヘルムトッペギ(海鮮小鍋)、薄味ながら上品なタチウオのスープ、カニの甘みが病みつきになるヤンニョムケジャン(生カニの唐辛子タレ漬け)、etc
タチウオのスープ、ヤンニョムケジャン、アワビの刺身、海鮮小鍋、済州グルメの数々
そんな美味しい済州とも今朝でお別れ。
行きは成田からの直行便であっと言うに到着したが、帰りはプサン11:45発のDルタ便しか取れなかった。そのため朝8:45済州発の国内線でまずプサンに飛ばねばならない。まあ、プサン到着は9:40の予定だから、乗継ぎは2時間5分と十分な時間がある。
定刻どおりKリアンエア国内線は済州空港を飛びたった、はずだったのだが…
飛行機が滑走路に差し掛かったところで何やらハングルのアナウンスがなされた。だが僕には何のことか分からない。
でもその後の英語アナウンスで聞き取れたフレーズは、
… return to the gate …
なにぃ、ゲートに戻るだと!! 整備不良でも起こったか? 何が起きたか定かでないが飛行機は滑走路を一回りしゲートに戻ってしまった。
まずい、こりゃ少なく見積っても1時間以上は出発が遅れる。となるとプサンでの乗次ぎが危うい。それに乗り遅れると帰国は明日GW明けの月曜だ!! この事態は給与所得者としての立場を非常にまずくする。
Excuse me!
僕はCAのおねーさんを呼び状況を説明、Dルタ便に僕を待ってもらうよう連絡を依頼した。しかし、いい加減なサービスでは定評のあるDルタ航空が果たして僕を待ってくれるのであろうか?
結局約1時間半遅れでプサン行きの国内線は出発した。CAのおねーさん曰く、
「40分程でプサンに到着します。空港職員には連絡済みです。20分程乗継時間があるから大丈夫でしょう。」
ほっ、何とかなりそうだ、と安心したものの、
「保障はできませんが…」
と、CAさんが責任回避の一言を忘れなかったのが気がかりだ…
プサン空港に到着すると、僕はビジネスクラスの客を差し置いて、いの一番にゲートに通された。ある意味VIP待遇である。
そして待ち構えた国内線ターミナルの職員に先導され、出口までダッシュ。さらに国内線から国際線ターミナルまでの間は、別の職員に先導役がバトンタッチされ、またもやダッシュ。そしてまた国際線ターミナルの中では3人目の職員にバトンが渡り、またまたダッシュ~。
3人もエスコート役がつくなんて、これまたある意味VIP待遇だが、このVIP待遇、走ってばかりで全然楽じゃない。
そして、出国審査も文字通りVIPゲートでサクッと出国。
僕の荷物は幸い全て手荷物だから、この一連のVIP待遇さえ耐えれば乗継げる。
ともかくゴールが見えてきた。
「なんとか間に合いそうですね」
3人めのエスコート役の空港職員さんは見事な日本語を話す美人だ。その言葉にほっとしたのもつかの間、思わぬ最後の関門が待ち構えていた。
米系エアライン用の厳しい荷物検査である。
立ちはだかるは、怪しい荷物は絶対に通すなと厳命を受けた、これまた美人の保安職員さん。オイラの荷物を全てぶちまけ調べ始める。
これに対し、乗客をつつがなく搭乗させることがミッションの空港職員さんもそのプロ魂に火がついた。
「さっさとしなさいよ」とでも毒づいたのであろう。しかしそれが返って保安職員さんの職業スピリットを刺激してしまった。
空港職員vs保安職員。二人の韓流美女の間で、厳しい韓国芸能界でしのぎを削るKARAと少女時代のごとく、激しいライバル心がメラメラと燃え上がってしまったのだ。
保安職員さんのしつこいチェックが入る。彼女は調べたはずのオイラのバッグの中の袋を手荒に鷲づかみ、もう一度X線にかけようとした。
そのときである。乱暴につかんだ袋から中身がポロッとこぼれ落ちた。
ああ、それを見ないで美人のおねーさんたち!!
それは、
それは、オイラの洗濯物のパ●ツだよ~ん
…恥ずかしいぃぃぃぃ。
さすがにうら若き乙女にオイラのパ●ツを拾わせるのは忍びない。あわてて自分でパ●ツを掴むと、何とか出発5分前の乗継ぎ便に駆け込む。
なんともトホホな旅のエンディングであった。
最終更新:2016年08月26日 22:30