【海鮮王国・済州を行く】
第5話)SAMSUNG帝国の陰謀

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西帰浦(ソギッポ)で二泊した後、バスで済州市へ戻る。居心地のよさげなゲストハウスに荷を降ろすと、僕は早速街歩きに出かけた。

Greenday Guest House
居心地のよい Greenday Guest House

まず向かったのは市民の台所・東門市場(トンムンシジャン)西帰浦(ソギッポ)の市場も活気溢れる楽しいところであったが、こちらはその何倍も規模がでかい。

東の門から入ると、ズラッと鮮魚店が立ち並ぶ。お店には番号が振られているので確認してみると、通路右側の01番から始まる店は、奥に入って戻ってきて、左側94番で終っている。ほぼ100軒近い魚屋がこの市場にひしめいていることになる。さすが海鮮大国・済州である。そしてそのほとんどが生簀で活きた魚介を売っている。ならばこの市場は世界一の"水族館"密集地帯としてもギネス級といえるだろう。

東門市場(トンムンシジャン)
市民の台所・東門市場(トンムンシジャン)

鮮魚店の一部は奥の事務所スペースを改装してレストランも兼ねている。しかし「活魚の刺身=多人数向け料理」という鉄の掟がオイラをお刺身から遠ざる。う~ん、お刺身食べたい。

それでも熱気溢れる市場に興奮してバチバチ写真をとるうち、デジカメのバッテリーが切れてしまった。しばらくはスマホのカメラ機能で代用させるとしても、電池消耗の激しいスマホではこの先ちょっと心もとない。

僕はバッテリーを買おうと思い、観光案内所に行き「電気店はどこ?」と尋ねてみた。すると、

 「多分、地下街のショッピングセンターにカメラ店があるでしょう」

とのことなので行ってみると、確かに地下街には多くの店がひしめいているものの、そのほとんどは洋服や雑貨、そして化粧品店であった。

済州市地下街
済州市の地下街はファッション系の店で一杯

これは困った。

案内所の情報もあてにならないとなれば、己のカンと嗅覚でだけで見つけるしかない。まあ、これだけ魚屋と洋服屋の多い街である。カメラ店の1軒や2軒ぐらい分けなく見つかることだろう。

地上に上がり、目抜き通りをふらふらしてみる。そもそも観光地なんてどこでもFジだのKニカだのKダックなどのロゴを掲げた店が幾つもあるものだ、チョロいものさ。

とタカをくくっていたが、時代は大きく変わっていた。

そんなロゴなどどこにもない!(そもそもKダックなどは破綻したんだから看板なんてあるハズがない)

オイラのデジカメは10年前に買ったコンパクトタイプである。しかし、今まで一度の故障もなく元気に頑張ってくれている。さすがモノづくり王国の Made in Japan だ。この調子ならもうあと10年、つまり合計20年使えるはずだ。

だって僕のカメラはOリンパス製。だましだまし20年間損失を隠し続けた会社の製品なのだから、だましだまし20年間は使えるだろう。

そんな根拠のない理屈はともかく、今この場で電池1個ないだけでデジカメが使えないとは納得がゆかない。カメラ屋はどこだ、あっあれかな?

しかし、カメラ屋っぽく見えた店はことごとくケータイ・ショップだった。

ここ済州は韓国にある。つまりスマホで世界を席巻しているSAMSUNGのお膝元だ。そして今やスマホのカメラ機能は凡庸なデジカメを凌いでいる。

このSAMSUNG帝国領において、もはやデジカメは過去の遺物として葬りさられてしまったのだろうか。

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 22:28