【宮古島旅行記/年越しは宮古島で!!】
第1話)宮古島到着、まずは保健所に直行だぁ
||沖縄旅行記|宮古島|平良|城辺|砂川|狩俣||
年末、寒い東京を離れ、沖縄・宮古島でつかの間の休暇を計画していたところ、
「初めて宮古島に行くのなら、オトーリに気をつけて!」
と、宮古島通の友人が警告してくれた。オトーリとは宮古島独特の泡盛回し飲みの風習である。あまりアルコールが強くない僕は、学生コンパの一気飲みの悪夢が甦りちょっと憂鬱になった。
島にそんな風習があるとは知らず、現地でオトーリに巻き込まれたらどうしよう。
すると「宮古の保健所で "オトーリ出来ませんカード(レッド&イエローあり)" を発行しているよ。」とユースフルな特選情報も寄せられた。これで宮古島最初のアクティビティが確定した。まずは保健所に直行だ。
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年末の休暇を迎え、早朝6:00羽田発の沖縄便に乗るため、前日深夜から空港で一夜を明かす。24時間営業の国際線ターミナル五階の展望デッキ前のベンチには、僕と同じような夜明かし組みが何人もいて、上着を毛布に横になっていた。中には授乳室のベンチシートで寝ているツワモノまでいる。早朝便の登乗には誰もが工夫が必要なのだ。
羽田空港の夜明かし組み。さすがに障害者トイレで寝る人はいない。
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出発が早かった分、到着も早い。那覇で乗り換え宮古に着いても、まだお昼前。中心街・平良の宿に荷物を下ろし、早速散歩を兼ね保健所へ徒歩で向かった。
歩きながら僕は考えた。「オトーリ・カードは保健所の発行するカードだから健康保健証が必要なんじゃないか? しまった、持ってきてない!! 無保険だと全額自己負担か、困ったなぁ。。。」
とはいえ引き返すわけにもいかず、宮古保健所の古びた建物の二階に上がっていく。すると電気が消えている。どういうことだ! 今日は12月28日、官公庁の御用納めはまだのはず。
すると奥のほうに居た職員が、
「ご用件はなんですか?
えっ、オトーリ・カード。それなら健康推進班です。今昼休みなので10分後に来てくださ~い。」
何だ昼休みか。ということで10分後に出直してくると担当職員が
「どうしました、医者から何か言われましたか? 」
と心配そうに尋ねてくる。そうではなくて、不意のオトーリ・ハラスメント防止のために欲しいのだと説明すると「変わった人が来たものだ」という顔をされてしまった。良く考えてみれば、自らレッドカードやイエローカードをもらうサッカー選手はいない。それと同様、自分からオトーリ・レッドカードやイエローカードをもらいにくる島民なんていないのかも知れない。
「こちらへどうぞ」と女性職員2名に連れられ、たどり着いたのは取り調べ室のような殺風景な小部屋。
そして「これに記入してください」と手渡された問診票を見て笑ってしまった。その質問項目がイカしている。
- 酒を飲まなければいい人だとよくいわれる。 1点(Yes) 0点(No)
- 家族に隠すようにして酒を飲むことがある。 1点(Yes) 0点(No)
- 二日酔いで仕事を休んだり大事な約束を守らなかったことがある 1点(Yes) 0点(No)
といった「あなたアル中ですね」系の質問が延々続くのだ。しかし、こういう質問だと僕の場合全てが0点(No)になってしまい、オトーリ・カードがもらえなくなってしまう。それはそれで困るじゃないか!!
すると職員が
「あなたの場合はイエローカードですね。本当はこのあとパッチテストをするんですが、今日はこのまま発行しますね。」
なにぃ、意外に緩いぞ、宮古保健所!! でもこのノリならば、
「あの~、じゃついでにレッドカードも発行できますか?」
「レッドカードはお医者さんの証明がいるのよね、、、でも登録上はイエローにしといて、ついでにレッドも作りましょうかね。」
なんと機転の利く公務員!! 健康推進班バンザイ。
そして発行されたのは手作り感溢れるパウチッコのカード。だが、ちゃんと宮古島保健所長の印も押されている公式カードだ。
こうして僕は宮古島史上(たぶん)初めてのオトーリ・イエローカード&レッドカードの二枚ホルダーという栄誉を授かることとなった(いやそれは島民からすると不名誉だという話もあるが、、、、)
ともかく心配された発行手数料も無料だったから保健証もいらず、まずはメデタシとしよう。
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それにしても宮古島当局は島民の酔っ払い防止に熱心だ。オトーリ・カードも宮古島の飲酒量が全国一という調査結果を受けて導入されたのだという。
島では看板・チラシ、果てはお店のティッシュの箱まで、あらゆる媒体を使って飲酒運転・路上寝込防止に努めていたが、警察ポスターの「路上で寝込む女性」の写真には正直驚いた。大胆すぎるぞ、島民!!
また、宮古島は「宮古島まもる君」という交通安全を訴えるファンキーな警察官人形が有名で、島の要所要所で日夜島民の安全を守るため活躍しているのだが、その「まもる君」が誕生したのも、元はといえば飲酒量日本一を誇る酒好き島民の飲酒運転が背景にあったとも言える。
どうせなら警察と保健所がコラボして、オトーリ・カードに「まもる君」イラストも付けて欲しかったなぁ。
最終更新:2016年08月26日 22:06