【非常事★タイの、泰国東海岸】
第2話)空港からパタヤーへ直行
《タイ旅行記|パタヤー|チャンタブリー|ラヨーン|スワンナプーム》
「観光客は赤いシャツを着るな!」が常識となりかけた出発直前、バンコク・デモ隊は治安部隊からの攻撃を恐れ、赤シャツを脱ぎ捨て私服隊になってしまった、、、ということはフツーの服もNGじゃん。僕とFさんも服装に困った。
すると「2人で裸族となって、ビーチでまったり過ごせると良いですね♪ めでたしめでたし」などと有難いエールを頂戴してしまった。
当時のバンコク赤シャツ隊(私服隊)占拠マップ、赤線は赤シャツ・緑線は当局の陣地
外務省が「首都:バンコク」に「渡航の是非検討」令を発するなか、ギリギリまでFさんと相談した挙句「バンコク市内には一切入らず、空港から市内と反対のパタヤー方面に直行しよう」ということで、落ち着いた。
すると今度は、「また、オカマの多いトコ選んじゃって、サスガ!」だの、「ビーチの岬から南下するエリアはハッテンバとなっているよーです」だの、イカすコメントが続々寄せられた。いったい彼らは僕らに何を期待しているのだろう?
ともかく、空港から東海岸の老舗リゾート・パタヤーへ直行だ。
調べてみるとベルトラベルという現地の旅行社が、スワンナプーム空港からパタヤーまでの直行バスを運行している。しかも値段は200バーツ(600円)! エアポートバスで空港から市内に行くのに150バーツ(450円)かかることを考えると、これは安い。しかもパタヤー・バスターミナルからミニバンでホテルまでの送迎が付いてこの値段。予約も事前にネットで出来るので簡単だ。
ベルトラベルは空港1階7番出口にオフィスがあるという。きっと立派なカウンターを構えているのだろうなぁ。
と言うわけで、空港に到着するとすぐに1階7番ゲートのカウンターを探した。さて、あのカウンターかしら? いや、それは別のバス会社だ。 じゃこっちのカウンター? おっと、これはタクシー会社か。
おかしい、どこにあるのだ、ベルトラベルのカウンターは?
1階の7番ゲートと言ったらピンポイントでここしかないのに、どーしてもカウンターが見つからない。しかたなく7番ゲート近くの空港案内に「ベルトラベルはどこ?」と聞いてみた。
すると「後ろよ」と職員が指差した。「えっ」僕の後ろにカウンターなんかないぞ!どういうことだ、これは。
ん、あれれ。
確かにカウンターはないが、変なプラカードを前にして、おばちゃんがベンチにポツンと座っている。もしかしたら、、、あっ、プラカードに「Bell Travel」て書いてある。ということはベルトラベル空港オフィスって、このベンチの事か!
「パタヤーに行くのかい。名前は?」とおばちゃんはどこぞに携帯から電話をかけ、「ああ予約済みだね。じゃここで待ってて。」とリストにチェックを入れた。
これは凄いオフィスだ。だって設備投資はプラカード一本と携帯電話一台だけである。後はオフィスの建物もベンチも冷房代もみんな空港施設をかってに間借りしているのだ。素晴しいビジネスモデルと言えなくないか?
直行バスは1時間半でパタヤー・バスターミナルに着いてしまった。渋滞で動かないバンコク市内のホテルに1時間かけて行くのとそれほど遜色ないじゃん。
乗客はそれぞれのホテルに向かうミニバンに分散して散っていった。さあ、ホテルまでもう直ぐだ、と思ったのが甘かった。パタヤーは市内が恐ろしく渋滞していて、しかも客をそれぞれのホテルにちょろちょろと降ろしてぐるぐる回るから、やたら時間がかかる。バスターミナルまでは快適だったが、結局そこから1時間もかかって目的のサワディー・シービュー・ホテルに到着した。
実はこのミニバン、初めに泊まるホテル近くの小道の入り口を通りかかったのだが、その時はこんなに時間がかかるとは思わず乗り過ごしてしまっていた。こんなに時間がかかると予め分かっていたら、多少歩いてもいいから、その小道の前で降りるべきだった。
ホテルではFさんがビールを引っ掛けて待っていた。早速二人でメシを食いに行く。もともとベトナム戦争時代の米兵の娯楽地として発展したパタヤーは、街全体が歓楽街と化している。「パタヤー=(歌舞伎町+湘南海岸)÷2+ラスベガスを少々」といったところであろうか? ともか落ち着かない街である。女性をはべらせた店が数知れず存在し、その規模といったらバンコク・パッポン地区の20倍はあるのではないか。
「いやー、昨日はそこのバーでボられちゃいましたよ」とFさん。この街はどんどん金が飛んでく街だ。あまり長居をしないほうが身のためである。
最終更新:2016年08月26日 21:01