【お正月はハ○イにキマリ?-海南島の旅】
第2話)海口(ハイコウ)のトロピカルドリンク
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夕刻、飛行機は中国のハ○イ・海南島の北の玄関、海口に到着した。本物のハワイの正月なら芸能リポーターどもが有名人の到着に群がるところなのだろうが、こっちのハ○イはわずかな数のタクシードライバーが僕に群がるだけであった。
むろんそんな輩は無視して、15元(約220円)のエアポートバス乗り場に向かう。今日のお宿は一泊60元(約860円)の巴納納旅舎。最初はちょっとセレブ旅を思い浮かべて始まった旅なのに、いざ実行となると出来る限り節約してしまう悲しい習性が僕にはある。無論旅のコンセプトも「気分はセレブに、財布はセイブに」にすり替わっていた。
翌朝、先ずは海口の街を散策してみる。確かに街路樹の椰子の並木はハワイっぽい気がしないでもない。が、なんか天気はどんより曇って、時折小雨がパラつく始末。何よりここの人民たちはみな長袖のジャケットを着ている。要するに肌寒い。いったいどこが常夏の島だと言うのだ!
海口の街の中心部は、意外にも高層ビルの立ち並ぶ中国のフツーの都会であった。大通りは片道4車線もある。しかし、そんな通りをピカピカの新車に混じって、人力タクシーが行き交うのが中国らしい。この国は経済大国と最貧国が同居している。
さて、一通り散歩が済んだところで宿に戻る。巴納納旅舎は安宿ながら外国人相手に営業しているので英語が通じる。
「どこか面白いところはないですか?」
「見所なら、壁を見てください」
壁には市内の名所案内がワープロ打ちされて貼ってあった。その中に EAST LAKE なるモノがあった。宿から徒歩圏の東湖である。何でもその湖の畔には木彫りのクラフトショップが立ち並ぶのだとか。
トロピカルムードとは正反対の、中華風のワビサビが漂う東湖には、果たしてたくさんの露天が軒を連ね、茶器やら陶器やらが並べられていていた。客も店員もご隠居様系が圧倒的である。
そんな静かな湖畔に、一箇所だけ人の群がる店があった。何だろうと思って近づいてみると、爽やかな柑橘系の香りがする。
なにかのドリンク屋台であった。どうやら漢方をオレンジジュースか何かで割った健康飲料を売っているようだ。どれどれと屋台に近づいてその漢方っぽい原料を見て、僕は腰を抜かした!
ちゃぶ台の上には、とぐろを巻いた毒蛇が固まっていたのだ!
よく見ると毒蛇はオレンジジュースに浸けられていた後だったのだろうか、全身が橙色に染まっている。脇にはその毒蛇ちゃんのエキスをたっぷり吸ったトロピカル健康ドリンクが入ったペットボトルが無造作に置かれていた。
興味津々の僕を見つけた屋台のオヤジが、「こっちに来い」と手招きをする。オヤジは足元にある籠を指差すとおもむろにその蓋を開け、僕は再び腰を抜かされた。
籠には今度は生きた毒蛇ちゃんがとぐろを巻いていた!
オヤジは「こんなの何でもないよ」と言わんばかりに大胆にもその毒蛇の頭を撫でる。こんな光景、絶対ホンモノのハワイにはありえないだろ!!
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最終更新:2016年08月27日 08:48