【メコン左岸にて-ラオス中南部の旅】
第4話)ヴァンビエン・ワンデイ・ツアー
《ラオス旅行記|ビエンチャン|ヴァンビエン|ターケーク|サワナケート》
翌朝、ガイドが我々のゲストハウスに迎えに来た。ヴァンに乗り込みヴァンビエン・ワンデイ・ツアーが始まった。
途中ブッダロックなるところに立ち寄る。岩場に仏像が彫られているだけのところであるが、地元民はお坊さんとともにトラックバスに乗ってピクニックにやってくる。
そのブッダロックの前で奇妙な生物が我々の度肝を抜いた。サソリである。「こんな大きなサソリは私もあまりみたことがない」とガイド氏も驚く。だらだら~としたラオスの空気にボッーとして、うっかり踏みつけたら大変なことになるところであった。
ブッダロックに出現したサソリ
さらに山奥に向かい、山間の村ヴァンビエンを目指す。車窓からは昼食のために下校する子供たちを多く見かけた。程なくヴァンビエンにたどり着きランチを取る。ここはナムソン川のほとりに広がる静かな村だが、ベトナム戦争時代、米空軍の秘密基地が作られ、今でも広大な飛行場跡が残る曰くつきの場所でもある。近頃はなぜか白人ツーリストに大人気で、通りには欧米人向けのレストランやゲストハウスがやたら多い。
「このあたりはラオスにしては珍しく就学率が高いのですよ。観光でそれなりに
潤ってるから、子供を学校に行かせられるのです。」
などとU君が解説する。米軍基地の時代に英語や外国人に接したラオス人が多く残っていたから外国人相手の観光業が発展したのかなぁ、などと思ったりするのだが、そんなことなどお構いなしヴァンビエンの昼下がりはくそ暑い。地元民はこの強烈な日差しを回避するため、片手に日傘を指しながら、片手ハンドルでバイクや自転車を操るという高等テクニックを身につけている。
ヴァンビエン。片手に日傘、片手にハンドルは地元民の基本
ランチを終え、タムチャン洞窟へ向かった。このツアーで唯一身体を動かすアクティビティである。といっても僅か147段の階段を昇って洞窟の入口に向かうだけではあるが、、、
入口に近づくとヒンヤリ空気が冷たくなってきた。「ラオスでは、洞窟と滝があるとすぐ観光名所になるのですよ」とのたまうU君。さて、他の人はと見回すと、あれれCさんが見当たらないゾ。
当初「ラオスに行ったらカヤックをしよう」などとアクティブな提案をしていたCさんだが、147段の階段に難儀し、皆に大きく遅れて死にそうな表情をしていた。と人のことを引き合いにしながらも、僕の足にも大量の乳酸が溜まっていたのも事実なのだけど、、、
ともかく、もしこんな運動不足軍団が「カヤック」などしていたらと思うとゾッとする。死人続出間違いナシ。適度な「アクティビィティ」で良かったぁ!
帰路、ダム湖近くのマーケットに寄る。新鮮な野菜や魚に加え、昆虫系やら、カエルの子供やオタマジャクシの親も洗面器に山と盛られている。
「あっ、それは写真を撮らないで」とガイド氏。
そこにはなんか貴重そうな野生動物様が売られていた。しかし、「ワシントン条約?何それ?」状態なラオスでは、野生動物様といえど単なる商品に成り下がるしかなかった。
それにしても、こんなワイルドな獣をどうやって食べるのかなぁと、興味は尽きないヴァンビエン・ワンデイ・ツアーであった。
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最終更新:2016年08月27日 18:54