【お気楽軍団、ラオスを行く】
第9話)資本主義の夜

《ラオス旅行記|ビエンチャン|タイ|ウドンタニー|コーンケーン》

ウドンタニーを後にしてコーンケーンへ向かう。バスで2時間ほど行くとコーンケーンだ。この街は東北タイのそこそこ大きな街であるにも関わらず、これと言った観光名所がない。仕方がないので、郊外に恐竜の化石が出るというだけで、恐竜の街として街を売り出している。

世界一エコなタクシー=コーンケーン・東北タイ
世界一エコなタクシーが活躍するコーンケーン

ガイドブックを見てロケーションのよさそうなKホテルにチェックイン。ホテルには何故か子供連れの団体客が多く泊まっていた。恐竜効果が子供に人気なのだろうか?どーってことない地方都市なのに。

7階の部屋の鍵を受け取り、エレベーターに乗る。中にはホテルの催事を告げるポスターが貼られていた。すると、ありふれたレストランなどの告知に並んで、オヨヨなポスターが!ホテル併設のナイトクラブのポスターであるが、そのメイン写真はリオのカーニバル並みの露出度を誇るエロ○ロなオネーチャンである。こんな子供がたくさん泊まるホテルで、鼻血ブーもののポスターを掲示していいのか、タイ人!。

何とけしからんことか!ならば行って実施検分せざるを得ないじゃないか。いえいえ、別に自ら行きたいってわけではないのですよ。でもほら、外国の社会の仕組みを知るってことは大切なことですから、イヤだけど、本意じゃないけど、行ってみましょう。あくまで社会学的な視点からのアカデミックな行為という位置づけなのですから。

と正当性を見つけて、夜ホテルのナイトクラブに行ってみることにした。

 「イラシャイマッセ~」

ロビー前の入り口で怪しげな男がたどたどしい日本語で誘ってくる。ホテル内にこんな呼び込み親父を常駐させてていいのだろうか? とはいえこのナイトクラブはホテルの立派な公式アトラク
ションなのだから犯罪者ではないのだろうけど。

ともかく誘われるままナイトクラブのドアを開ける。すると、

 ッガガガガーン! ギギッギーイン♪

中ではけたたましいロックバンドの生演奏が響きわたっていた。あれれ、鼻血ブーなポスターと全然違うではないか?

しばらくロックの演奏が続くと、こんどはステージに一応ダンサーが勢ぞろいし始めた。おっ、そろそろ鼻血ブー・ショーが始まるのだろうか。勢い期待値が高まる、もとい、タイのポスターは過大広告をしていないか検証しなくてはとの正義感が高まる。

しかし、軽めの音楽に合わせてダンサーたちはやる気なさそうにダラダラ踊るだけ。しばらくするとダンサー軍団はべつのチームに交代するが、相変わらず次のチームもチンタラ踊りだ。

そうこうするうちになんちゃってダンスは終わり、またまた ッガガガガーン! ギギッギーイン♪ の演奏タイム。

演奏→ダラダラダンス→演奏→ダラダラダンス がしょうもなく繰り返される。おいこら!ポスターのカ-ニバル・オネーちゃんはどこに行った!

あのポスターは子供に良くないが、このナイトクラブは大人に良くないぞ!といい加減飽きてきたその時である。

 「みなさまお待ちかねでした。セ○シーショーの始まりです」

といった感じのアナウンスが。あぁっ!出た!カーニバル女! ポスターの宣伝はかろうじて過大広告のレッテルを貼られることを免れた。カーニバル女は客席に下りてきてサービスダンスを披露する。さすが資本主義国タイ、社会主義国ラオスではありえないエンターテイメントだ!

だがそのサービスは「おチップ」をちらつかせた金持ちタイ人の前でしか披露されない。

ラオスからタイに入ってばかりで、しかも明日は日本に帰るから、僕はタイバーツの現金をほんの少ししか持ちあわせていなかった。そんなフトコロ事情を本能的にかぎ分けるのだろうか? あるいは社会主義国ラオスのアロマが残っているからだろうか? お金のニオイのしない僕のところに資本主義国のセク○ーダンサーは近寄る気配すら見せない。

「ラオスwith東北タイの旅」の最後の夜。それは厳しい資本主義の現実を見せ付けられた夜だった。

=FIN=


もどる < 9 > 目次へ


海外格安航空券 ※最高10000ポイントですよ!


最終更新:2016年08月27日 18:48