【お気楽軍団、ラオスを行く】
第7話)ミスタイランドがやってくる!
《ラオス旅行記|ビエンチャン|タイ|ウドンタニー|コーンケーン》
ビエンチャン3日目、今日U君は協力隊の事務所に顔を出すというので、近くまで付いていくことにした。協力隊は日本の公的機関であるからGW中にカレンダーどおりの休日がある。しかし「友達が来るならもっと休んでいいよ」とあっさり前後の平日も休みになっていた。だいたいこの時期、他の協力隊員も日本からの友人のお付き合いが仕事になってて、U君同様、協力隊員は友人接待でおおわらわあった。
「もしかしてラオスの協力隊って、友人を観光客として誘致させる装置なんじゃないの?」
「かも知れませんねぇ」
経済効果としては、それが一番効力があるように思えてならない。本来の業務がどうかは知らんが、その存在自体でちゃんとラオスに「協力」してるのだね、U君。ご立派!
さて、事務所の用事を終えて近くをぷらぷらしている時である。とあるデパートの前にテントが立ち、大勢のラオス人、それも若い女性ばかりが、何かを待っていた。いったいこれは何だろう。
すかさずU君がとラオ人に尋ねる。
「ミス・タイランドがやって来るそうです!!」
日本人がおフランスに憧れ、タイ人が日本に熱を上げるように、ラオ人にとってタイは流行最先端の国なのである。ここのラオ女性の熱気がそれを証明していた。
ともかく美人国・タイからミスがやって来るのだから、わざわざビエンチャンまで来たかいがあったというものだ。
しばらく我々もミスタイランドを待つ。そのうちだんだん様子が詳しくわかってきた。これは化粧品メーカーが仕掛けたイベントで、タイから美容部員がやってきて化粧品のデモンストレーションをやるとのことだ。どーりで周りラオ人が若い女性ばかりであるわけだが、化粧品がショッピングの対象になるほどラオスが発展したことにいささか驚く。
あ!デパ-トの前に車が横付けになった。さてはミスタイランドの登場か。僕はカメラに手をやった。しかし出てきたのはマネージャー風の人たち。彼らは降りるとイベントブース前で前座の司会をダラダラと始めた。
なんか、いつまで待ってもミスタイランドがやってくる気配がしない。
「本当にミス・タイランドがやって来るの?」
「ええ、ノーンサオ・タイがやって来るって言ってましたよ」
「えっ『ノーンサオ・タイ』って直訳すると『タイの妹』じゃん。」
それでもしばらくすると中型のバンが会場前に現れ、マネージャー風の男に続いて芸能人っぽい女性が現れた。彼女はタイ語で聴衆に呼びかける。たしかに「タイの妹?」というか「タイ女性」であることには偽りはない。が、どー見てもミス・タイランドではありえない。というか完全にお笑い系の女である。
なんかこの「タイの妹?」、どっかで見たことあるような気がする。
あっ! エド・はるみ にそっくりじゃん。
エド・はるみ を見るのに炎天下を30分も待っていたのか、僕は。 嗚呼、ショッキンぐぅ~!
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最終更新:2016年08月27日 18:43