【楽しい?北タイ紀行】
第6話)ミャンマー軍事施設に潜入

《タイ旅行記|北タイ|チェンマイ|チェンラーイ|メーサイ|エアアジア》

Sトラベルの山岳民族ツアーは大変面白かった。翌日は1日チェンラーイの街をぷらぷらして、また次の日のミャンマー国境周辺ツアーに申し込んだ。T子さんはバンコク戻って行ったが、S子さんは続けて参加。これにもう一人デゥシットホテルにご宿泊のAさんが加わった。ここはチェンラーイ一番のホテルで一泊2000バーツ以上!僕のゲストハウスは300バーツ。Aさんは僕の7倍以上もカーストがお高いということか、、、

国境ツアーは悪路を行くわけではないので、今日の車は冷房付のバンだ。バンは快調に国境の街、メーサイへとハイウエィをかっ飛ばす。途中ガイドのSネーさんが例によってセブンイレブンでお菓子を大量に買い込む。これの使い道はもう分かっている。少数民族の村人たちにはこれが大変喜ばれるのだ。だが今回はお菓子に加えて卓球のネットのようなもの買い込んだ。これっていったい何に使うのだろう??

メーサイに向かうと思っていたバンは大通りをそれて山道に入っていった。おや?どこに行くのだろう?

 「Sネーさん、どこに行くの?」
 「うん、面白いところね。」

面白いところって何だろう?ともかくバンは山道をのぼり詰めると検問所の前に停まった。タイ軍の兵士が銃を構えてこちらに睨みを効かせる。Sネーさんは兵士と何やら交渉すると「OK、行きましょう」と車のドアを開けた。

そこは山頂のタイ軍の軍事拠点だった。そして山頂から南側にタイ領。北側にミャンマー領が望める。いい眺めだ。すぐ目の前に尾根に沿った小道がある。この小道を含めた南側がタイ領で、小道の外れはもうミャンマー領だ。

 「山の向こうは写真OK、でもこちら側の施設はダメですよ。」

とSネーさん。大自然に囲まれた山奥にも、国境ならではの緊張感が走る。おや、小道の向こうに見える茅葺の家屋はなんだろう。なんか竹の柵に囲まれてる。このあたりの村人の集落かなぁ。

 「あれはミャンマー軍のキャンプだよ。さあ行ってみましょう。」

これがミャンマー国境軍の施設?
これがミャンマー国境軍の施設?

えっ、「行ってみましょう」たってそこはミャンマーだよ。Sネーさん。そんなこちらの心配などお構いなしにSネーさんを先頭に僕らは例の小道を歩いて行く。そしてSネーさんは竹柵に囲まれたミャンマー軍のキャンプに向かって声をかけると、出てきた指揮官と何やら交渉。

 「OK、中に入れますよ。」

僕らは小道をひょいと飛び降りた。そこはもうミャンマー領だ。あれれ、でもこれって不法入国だよなぁぁぁ。

竹柵の扉を開けて、ミャンマー軍のキャンプの中へ入っていった。キャンプは小高い丘の真ん中に小さな通信施設がある以外は、先日訪れた少数民族の村のように質素なものだ。建物だってみんな茅葺だ。

Sネーさんが指令官に挨拶をすると、ワラワラと兵士たちが集まってきた。みんな手に手に鉄砲を抱えて、ん?、抱えていないぞ。抱えているのはバナナの房やら、葉の付いたとうもろこしの実。軍服は着ているけど、どーみても軍人というより農民ではないか。

キャンプの中には平地はほんの僅かしかない。そこはセパタクロー(=東南アジアで盛んな足を使うバレーボール)のコートだった。この辺境の任地に暮らす兵士たちの唯一の娯楽なのであろう。だが、そのコートのネットはもうぼろぼろだった。

あ、そうか!Sネーさんが街で買ってきた卓球ネットのようなものは、このセパタクローのネットだったのだ。つまりこれがここの入場料というわけだ。

軍事施設内でセパタクロー大会が始まった
軍事施設内でセパタクロー大会が始まった

みんなでネットを取り替えるといつしか、ミャンマー軍vs日タイ連合チームのセパタクロー大会となってしまった。相手は軍人である。さぞかしすごい技を持っているのだろうと思ったが、意外にへなちょこ。テクニックは僕といい勝負である。

だがなまじ実力が拮抗しているのが良くなかった。ついつい本気をだしてヘディングなどしてしまったから大変である。知らぬ間にボールの泥で僕の高貴な顔が台無しだぁぁ。

ミャンマーの軍人さんたちとは記念撮影などして楽しんだ。こうしてミャンマー軍事施設不法侵入訪問は和やかに終了した。でも、こんなのでいいのか?ミャンマー国境警備隊!ともかくSトラベルにはパンフレットに書けないオプションツアーが充実している。(笑)

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 21:31