【ガイドブックに載ってない島の旅・アソ―レス諸島】
第4話)今日のお宿はスーパーマーケット?

《ポルトガル|アソ―レス諸島|ファイアル島|サォンミゲル島|テルセイラ島》

僅か40分ほどのフライトで、飛行機はポンタデルガーダ空港に到着した。ここはアソ―レス諸島の州都で、大学もある大きな街だ。

さあ、ここでもまずは宿探しだ。「この島は僕のフトコロに優しい島であってくれ!」、不安と期待が入り交じりつつ、僕は飛行機のタラップを降りていった。

ガイドブックのないところでの宿泊探しはいつも頭の痛い問題である。空港の観光案内には期待できないのはもう分かっている。そうなると望みはタクシーの運転手なのだが、アソ―レス諸島あたりでは「きゃん ゆー すぴ~く いんぐりっしゅ?(英)」と尋ねても、「ぱーるれ ぶ~ ふらんせ?(仏)」と聞いてみても、みんな「?」って顔をしてしまう。

要するに、超うるとらスーパーいんちきポルトガル語で何とかするしかないのだ。「街中の安い宿に連れてっておてくれ」と僕は運転手に頼んだ。少なくとも僕的にはそう頼んだつもりだった。運転手は「合点だ~、任せておけぃ」答えてくれた。少なくとも僕的にはそう聞こえた。気持ちなんて伝わるものさ、いや伝わるはずだ。う~ん、伝わってるのかなぁ、、、、

  しか~し、         というか   

  やはり、、、        というか   

どうして着いたところが、スーパーマーケットなのだぁぁぁぁ!!!!

スーパーマーケット?-ポンタデルガーダ
MINI MERCADO=要するに小さなスーパーだ

 僕  :「あの~、ここが安いペンサォンなの?」
 運転手:「G>$+!Å4jK><B□馬#8y$鹿9$k?Γ」

 僕  :「いや、だから、ここはホテルなのぉ?」
 運転手:「□馬#8y$ >$+>鹿9$k?Γ!Å4jK」

まったく埒があかない。コイツは僕にこの小さなスーパーマーケットで寝泊りしろというのか。

しばらくすると、ミニスーパーのオバちゃんが出てきた。何やら運転手とオバちゃんが話しこんでいる。二人の会話が一段落したころを見計らって、今度はオバちゃんに話し掛けてみる。

僕    :「ここはスーパーだよね?」
オバちゃん:「そうよ」

ほれみろ、どこがペンサォンなものか。ああマイったな。よし今度はオバちゃんに聞いてみよう。

僕    :「あの~、安いペンサォン知りませんか?」
オバちゃん:「ええ知ってるわ。」

僕    :「ここから近いの?」
オバちゃん:「ええ、とても近くよ。」

そうか、運転手は街に詳しいスーパーのおばちゃんに聞いてみようという魂胆だったんだ。

僕    :「で、その宿はどこですかぁ。」
オバちゃん:「ここよ!」

え“っ、僕は一瞬耳を疑った。アソ―レス諸島ではスーパーに泊まるのがお約束なのかぁぁぁ。


しばらくするとオバちゃんの息子らしきガキが鍵を持ってきて「こっちこっち」と手まねきをする。そして、倉庫の扉をあけた。いや、倉庫と思ったのは間違えで、扉をくぐるとそこは小さな中庭に通じていた。そして快適そうな部屋がいくつか。

中を見てみると申し分ない。宿泊代を聞くと僅か20ユーロだという。僕は小躍りして喜んだ。これこそ適切なポルトガル価格である。先ほどの運転手は「ほーら、わしの言ったとおりだろう」と得意げな顔だ。

スーパーの裏に宿があった-ポンタデルガーダ
スーパーの裏に宿があった。

なまじガイドブックなんか持っていたら、こういう掘り出し物件には当たらなかったかもしれない。

サォンミゲル島、ポンタデルガーダ、ここはフトコロにやさしくて助かった~。

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 16:31